縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2005年02月11日

二月十一日(金) 建国記念日 曇り 寒い

きょうが、なぜ祝日なのかわからない国民は多いだろう。

戦前は、紀元節といった。こどもたちは登校し式典に参列した。ぼくらは、天皇皇后のセピア色のご真影のまえでうやうやしく頭(こうべ)をたれて、校長先生の読む教育勅語をきいた。重々しく独特の節回しで「チンオモウニ」に始まる勅語の意味は、お経同然の漢文だ。「よく忠に、よく孝に」いがいは、小学生には、ちんぷんかんぷんだった。
その間、冷たい床の上にはだしで頭をさげっぱなしだから、ぼくら小国民はつい鼻水をすすりあげる。鼻水が床に落ちてもよいから、すすり上げるなと注意された。

厳粛な式典には、ふさわしくない、汚らしい音と思われたのだろう。花粉もアレルギーもまったく気にならない時代だったのだが。
講堂には、宮城の二重橋と、伊勢神宮の額がかかっていた。続いて、「雲にそびゆる高千穂の::」と紀元節の歌を斉唱した。歌詞は意味もわからずうろ覚えだったが、いま調べれば、ご親切にも、インターネットに「高根おろしに草も木も、なびきふしけん大御世を。仰ぐ今日こそたのしけれ」と、ちゃんとのっていた。
おさないぼくらには、神話と歴史のちがいなど、わかろうはずがない。教科書だったか、絵本だったか、神武天皇が大和橿原の宮で即位の情景が描いてあり、きょうはその日であり、日本は、二千六百年の歴史があるのだろうと思っていた。

「ジンム、スイゼイ、イトク、コウショう」と、たしか百二十四代歴代の天皇の名を暗誦させられた。最後、「めいじ、たいしょう」ときて、「今上天皇」とひときわ声を張り上げて、上がり。やれやれだ。
森元首相ならずとも、ぼくら小学生は、日本は「神の国」と豪も信じてうたがわなかったのだ。それから、あと数年たって、神州不滅のはずの日本が完膚なきまでに敗れ去るまでは。

ぼくの絵は、その神武天皇のつもり。弓の先に止まっているのは金のトビだ。まばゆい光線を発し、テキの目をくらませ、劣勢だった天皇の軍勢にみごと逆転の勝利をもたらしたといわれている。ワールドサッカー応援には、最適のキャラかもしれない。

投稿者 nansai : 2005年02月11日 09:53

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