縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2005年04月11日

四月十一日(月)の二

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「あれは、むしろ、絵心のない不器用な人にとってこそ、いい道具なんです。」(「似顔絵」岩波新書)
パソコンで描いた絵を評して、天才イラストレーター山藤章二氏は、このようにのべている。
「そこそこの絵を描くには役に立つ。だから、そのレベルで喜ぶのはいっこうにかまわない。しかし。それからさき作品化するのはむしろマイナスに作用する。パソコンで作った画面というのは、にてくるんです。」。
山藤氏は、隠れもないプロ中のプロのイラストレータだ。剣豪にたとえれば、宮本武蔵級。かれの似顔塾コンテストに応募してくるたくさんの絵をみて、このような印象をもった。
山藤画伯は、おそらくコンピューターアートのことをいっておられるのだろう。あれは、かなりの熟練を要し、「そこそこの絵」は、しろうとには、なかなか描けない。あれは、ぼくの愛用する初心者用オマケソフト「ペイント」より、はるかに高度なソフトを使う。ウインドウズしか使えないぼくには、とうてい無理だ。

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一方、ぼくのソフト「ペイント」を使いマウスで描くのは、もっと原始的だ。デジタルというよりアナログだ。オーケストラとハーモニカ、ゴルフとゲートボールの違いがあるだろう。手軽さで、指笛か草笛ににているかな。
すなわち、あまりにかんたんだから、だれにも手がだせて、自分でも「そこそこの絵」を描いてみようという気になる。

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うけあってもいいが、これは楽しい。不器用でもなんとかなる。へたがいい、とほめるひともいる。

絵心は、ひとそれぞれだが、稚拙、粗雑、ひとりとか仲間内で楽しむなら、それもよしだ。町内会のへぼゴルフコンペや、ゴルフ原っぱでの草野球みたいなものではないか。自閉症の子が、ペイントで絵を描いたのをみてほしい、という親御さんが立ち上げたイギリスのサイトもある。
ぼくも、いわゆるCGにはとんと暗いが、MSペイントは、はるかに手軽でそれなりに自由度があると思う。いまご婦人のあいだで大流行の「絵手紙セット」よりも絵を楽しむ幅は、はるかにひろがる。絵筆の上部をつまんで、無理に線をびびらせたりの制約がないからだ。
これは、ぼくが、数年前試みた、イラク侵攻前のブッシュのイメージらくがきだ。

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稚拙を恥じず、へたなりに、自由にいろいろアイデアをひねり試みてみて、あらためて山藤画伯のご高評をいただきたいものだ。
73歳のぼくの脳裏には、75歳ではじめて絵筆を取って、100歳過ぎるまで故郷の心象風景を描き続けたモーゼスばあさんの姿が焼きついている。もちろん会ったことはない。NHKテレビの日曜美術館で見て感心したのである。小柄な農家の主婦だったモーゼスばあさんのあのひたむきなマイペースがいい、うらやましいと。

我流を貫いたグランマ モーゼスは、アメリカの国民的英雄だ。彼女の絵を復刻したグリーティングカードはベストセラーだし、彼女自身、切手にもなった。

投稿者 nansai : 2005年04月11日 16:54

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