縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2005年6月14日

六月十四日(火)の二

最近、夫婦でスイスに行ってきた友人がいる。
この季節だと寒いくらいかと思ったら、あちらでは、氷河が溶けるとさわがれているほど暑かったらしい。マッターホルンなど、絵葉書でしか見られない風景が手に届くようなところにあるホテルで、ワインを飲みながら、うつらうつら昼寝をしたそうだ。あえて山に登ろうとしないのがいい。最高のぜいたくだねえ。

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ぼくも、先日クソ暑いさなか、愛知万博でうろうろ歩き回った。歩くアリの大群のひとりである。有名企業館は、どこもとてもはいれないから、人気のない、すぐはいれそうなパビリオンを狙うことになる。
スイス館のレストランは、がらがらだった。なかにはいると、張りぼてのアルプスの岩がおいてある。
そこで、ベンチに腰をおろし、本場ブランド(多分)のホットチョコレートをたのんだ。せっかくだがアルプスの清涼な気分は、張りぼての前ではちょっと味わえなかったなあ。
スイス館は、外壁に山という漢字が大書してあって日本人向けにアピールをつとめていたが、成果はどうだったのだろう。ぼくの印象だが、パビリオンは情報源としては空疎だ。それは大阪万博でも同じだった。
人ごみの熱気はある種の興奮を与えるかもしれないが、情報としては、ていねいにつくられたウエブサイトのほうが、急造パビリオンの掲示された情報よりも、よっぽど豊かでわかりやすいと思った。

ぼくは、はいらなかったが「スイス館の魅力」なる「十五分の体験ツアー」をWEBであとから読んだ。
「スイス館の使命は果たせるか」という早手まわしな記事ものっている。
自然と環境がテーマなのに、スイス館の山は非常に人工的にみえるとのきびしい評価も、正直にのせているのが、おもしろい。

画面に突然、みたことのないりっぱなパビリオンの写真が目にとびこんできた。なんと、三十五年前の大阪万博の折のスイス館だ。こんどのより、かなり立派だ。建物ではなく「木」という考えで建てられたという。
ぼくは、おぼえていない。
ビジターの長い行列をさけるための流れに配慮したそうな。


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パビリオンは、しょせん見世物小屋にすぎないのだが、主役のはずの見世物が判然としない、となると、情報もメッセージも発しないパビリオンは、たんに屋根つきの空洞である。

各国が万博に出展する際のわかりやすい使命は、やはり日本からの観光客誘致だろう。名古屋近辺のお年寄り富裕層に、ぜひ行ってみたいなあと思わせるのが、目的のはずだ。
そのためには、ちゃちな、といっても、大金が投じられているのだが、目立たないパビリオンだけでは情報発信力が弱い。どの国も、安上がりで効果的なインターネットの事前PRを活用したらいいのにと思う。会場にくる善男善女たちは、おそらく、他国のことは、まったくといってよいほど知らないのだから。

テレビやネットからの映像を、現場の大画面テレビとすなおにつなぎフルにいかすことだ。田舎から会場を訪れた人たちにもわかりやすい感動をあたえるような情報を伝えることに徹底すべきだと思う。パビリオンのなかは、あまりに巨大なテレビ画面よりも、60インチから100インチ程度の薄型テレビをふやすとよい。

投稿者 nansai : 2005年6月14日 17:00