縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2005年6月 1日

六月一日(水)

きょうは、いい日だった。
夕方ののぞみに乗るのに時間があったので、ひところ騒がれたコレド日本橋に始めて寄って見た。三階のスカンジナビア商品の美しく飾られてはいるけれど、人気のないフロアをぼんやり覗いていたら、フィンランドのガラスの鳥の展覧会をしているから見ていきませんか、と声をかけられた。
会場のさらに奥まった隅っこで、十脚ほどのいすが置いてあり、スライドショーがはじまっていた。

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白髪の大きな白人の爺さんが、小さないすにちょこんと座り、たどたどしい英語で、とつとつと、作品の解説をしている。十人に満たない聴衆は女性がほとんど。途中で靴音高く出てゆくのもいる。
解説の白髪老人はとみれば、こはいかに。ぼくが長年フアンとして尊敬していたオイヴァ トイッカさん本人ではないか。
ぼくも写真でしか知らない、知る人ぞ知るフィンランドのガラスアートの巨匠だ。トイッカの鳥シリーズは、世界的に高い評価を受けている。いまちょうど松屋でも展覧会が開かれている。
パンフレットには、トイッカ氏は、一風変わった作品で知られ、と紹介されてあるが、ユーモアセンスのないたわごとである。

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初めてお目にかかったが、あとのサイン会でサインしてもらい、ヨンさまに熱狂する中年のご婦人のファン心理が理解できた。日本のトキをかたどった作品が、今回10個限りの限定品ですと、女子店員が耳元でささやく。すすめられるまま夢見心地で、トキ一羽、大奮発。ガラスの脚の裏と箱にサインしてもらった。ぼくのおタカラだ。
トイッカさんは、1931年うまれだから、ぼくと同年輩だ。最近は工房生産が軌道に乗ったのか、作品の種類も増え、ぼくのようなプアーなコレクターにも手に入れやすくなった。
きょう偶然にひやかした店の名の「セレンディピティ」は、字引には、(偶然に)モノをうまく見つけ出す能力、掘り出し上手、または、幸運とある。よかった。

投稿者 nansai : 2005年6月 1日 16:32