縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2005年07月06日

七月六日(水)

レームダック

首相も、なめられたものだ。郵政民営化法案は、まさに僅差で、衆議院を通過した。
レームダック。びっこのあひる、とは、アメリカでは、任期切れが目前にせまって、権力をうしなったと見られる政治家をいう。徹底的に無視されるのが、つねだ。
いまや、小泉首相は、レームダックとみなされたのか。

もうこわくない。議員諸公も、アフター小泉をにらんで、国益は、そっちのけで、選挙区対策だ。次の政権へのパフォーマンスが求められる。

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しかし、そもそもの、郵政改革の大義を考えて見よう。
僻地郵便局のサービスの問題は、まったく枝葉の問題だ。

問われるのは、超巨大バンクが、津々浦々の零細資金を集め、350兆円にも達することの是非である。
郵貯や簡保の資金の大半が財政赤字の補填や財政投融資に使われることは、おそらくかわらない。土建国家日本が、ほかに有望な投資先がないまま、ふたたび、不要不急の箱ものと道路などの土木建設に、動き始めるのは必至だろう。と、どうなるのか。

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戦後の日本経済は、カネがあまったとき、狂ったように融資先を探し回り、こりずに迷走を始める。
おりしも田中角栄の唱えた土建国家憲法「日本列島改造論」に、アメリカの叱咤する「内需拡大」が、あのバブル怪獣を生み、この国を這い回った結果、失われた国富は、いかほどか。
一説では、優良貸出先を見失った日本のカネは、海外のファンドに吸い上げられ、税を逃れてタックスへイブンのケイマン諸島あたりに集められ、周り回って、ロシヤや中近東への石油投機資金に流れるという。
銀行や郵便局で集められた低金利のカネが、ちりも積もって、より高い金利を求め溯上して、サラ金や石油の高騰につながりかねないのが、国境をも軽々越える節操のない資本のこわさであろう。

この十五年間で、いやというほど、痛い目にあい、われわれは学んだはずなのだが。反省するにはあまりに不勉強で、懲りない政治家が多い。
いわゆる改革の「反対勢力」は、郵政族であれ、道路族であれ、大阪市役所であれ、集票にからんで、既得権と雇用の維持を守ろうとする動きが、国益と大義を圧殺する。
避けて通れない雇用の問題は、毎回、徹底抗戦を生む。かつての炭鉱、国鉄、しかりだ。
数字をみると、おそろしくなるような財政赤字減らしの一環として、郵政の国家公務員27万人を民間に移すという、国益の大きな流れを、族議員の政治家があおって阻止しようとする。

大久保利通のように、体を張って守旧派に立ち向かおうとする気概のある人物には、選挙でバックアップする以外にないのだろう。
国益と大義への実りの多い議論を戦わせ、国の進路をまた狂わせないよう、くわしく情報を提供するのは、メディアの矜持と義務だろう。国益と、選挙支持団体の利益をたくみにすりかえる政治家の口先の欺瞞を、するどく指摘せねばなるまい。職と既得権を失いたくない層にむけての、政治家の口先だけの、だましの手口は、論理的でなく、ちょんばれなのだが。

マスコミ報道の興味本位の政局談義で、ぼくの周辺の声をきいてみても、普通の人は、問題の本質がまた理解できなくなったように思える。

投稿者 nansai : 2005年07月06日 15:37

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