2005年09月16日
九月十六日(金)
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いつのまにか、ぼくは、お隣りのイタ飯レストラン「マリアン」のお抱え絵師となったみたいだ。
創業二十六年の当店は、公園のすぐそばにある。MARIANのネオンのローマ字看板は、しゃれすぎていて、だれにも読めない。ご近所で長年の常連客にささえられ、イタリア料理と地元の食材を生かすスローフードを志している。ワインだけでなく、焼酎も在庫豊富だ。
ここのオーナーシェフは、クマである。
ひげが濃い。剃らないから、ひげもじゃである。漫画「フクチャン」に出てくる書生のアラクマさん、といっても、古すぎて通じないか。
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絵のアイデアとして、ぬいぐるみのテディベアにひげを生やしてみたら、本人にそっくりになった。頼まれもしないのに、パソコンで肖像画!を描いてみせたら、気に入ってくれた。いまもプリントアウトされたクマの額が、壁にかかっていて、店内をへいげいしている。
お礼にと、ほかのお客さんには内緒であるが、お抱え絵師には、お昼の850円定食ランチに、こっそりおまけがつく。からだにいいトマトカンテン5切れと、エスプレッソコーヒー。毎昼、採算無視の破格のサービスなのだ。
感激したぼくも、クマいがいのヒト版の肖像を描いてお礼としたのだが、絵が下手で実物以上の好男子になってしまった。
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これは、開店25周年記念のクマ氏の晴れ姿の図だ。
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立派な花束は贈らなかったが、この絵をお祝いとした。手抜きではないが、手軽すぎてすみません。
ぼくがマウスで描いた絵(のようなもの)が、額縁に入って壁にかざられているのは、ここだけだ。
だが、こんな絵に、高価な額縁はもったいない。
よくしたもので、近所に額縁屋があって、ときどき額縁のワゴンセールをやる。がらくた化した大小の版画などが、安く投売りされている。西日にあたっていた額縁から、はいっていた作品をはずして、複写したぼくのプリントアウトをいれる。申し訳ないような気がする。ごめんな。
当店の壁に照れくさそうにかけられた額縁が、なんだか、大小ばらばらでふぞろいなのは、そのためである。肩身が狭く、胸が痛む
ぼくは、クマのつもりで描いたのだが、お客の中には、「ねずみの大将のレストラン」と覚えている人がいるときいてガクゼンとした。いわれてみると、ふうん、ネズミかあ。クマよりも、灰色のネズミに似ていなくもない。
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投稿者 nansai : 2005年09月16日 15:40


