縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2005年9月26日

九月二十六日(月)の一

大阪の電車では、「優先座席」の表示が車内のあちこちに見られる。だが、乗客に、これほど関心を呼ばない表示もめずらしい。若者は、完全に無視だ。中高生などの若い女の子には、ユーセンの意味がわからないのだろう。たしかにわかりにくいが。
いまどき、満員電車で、うとうと居眠りしながら、ケータイに目を走らせながら、自分が座れるという既得権を手放す大阪人がいたら、お目にかかりたい。
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「優先座席」って、なんのこと?電鉄ごとに、口先だけだが、いろいろな説明がされていて、それを読むのが楽しみである。英文表示ではPRIORITY SEATとある。なんのこっちゃい。この座席を必要としている方にお譲りください、だそうだ。老人、妊婦、病人やけが人とおぼしきピクトグラムでしめしているが、ようわからん。
ときどきみかける車内の説教広告も、むなしい。
 さ、どうぞ、譲り合いが美しいとか、大阪は心の優しい町だとか、なにをとぼけたことをいわうとしているのか。
そもそも、大阪で交通道徳を説くのは、どだい、無理というものやおまへんか。甲子園球場で駐車場を探すようなものだ。でも、それはかなしい。

新聞のコラムにのっていたのだが、筆者の古野さんが、病身で年長の友人の手紙を紹介している。
「大阪は人情の厚い町やと思ってきた。
杖を突いて歩くようになって、どうやら浪花の人情は錯覚やったなと気づいた。
東京のほうが親切や。山手線、地下鉄で杖をついていると、たいてい席を譲ってくれる。それも若い人が多い。
大阪はどうや。まず代わってくれない。優先座席に若い女がでんと座って、化粧してる。」(大阪日日新聞)
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しんどそうな人に、この席、どうぞ

ふと、思いついて、ぼくも、「優先座席」のPRポスターをマウスを動かして考えてみた。歳末、配達にくたびれたサンタ爺さんは、満員電車で、よろよろとつり革にぶら下がっている。座らせてあげようという趣旨だ。
効果は、ま、ないだろうが。

そこにゆくと、「女性専用車」は明快だ。男性は乗るなということがはっきりしている。
間違えて飛び乗ったりすると、ぼくなどは、先客の鋭い視線を感じて、座席から飛び上がり、すたこら遁走する。せんだっては、中年のおばさんからやさしく、「ま、いいじゃありませんか」とひきとめられたが、ありがたく、辞退した。

投稿者 nansai : 2005年9月26日 17:52