縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2005年10月17日

十月十七日(月)

TBSの買収騒ぎで、蜂の巣をつついたように、またまた、テレビとインターネットの融合の可否が議論されている。しかし、これは、いいことである。
日本の民間放送は、報道というより、エンターテーンメントというコンテンツを、視聴率で量り売りし、広告で食ってゆかざるを得ない。融合か否か、いろいろあって、どうするかは、カラスの勝手であろう。
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むしろ、国営放送に近いNHKこそ、テレビとネット融合を一刻も早く、はかるべきである。
テレビとネットの融合によるオープンな情報提供体制で、視聴者という名の国民の知的水準を、一挙にたかめることができるはずだ。
たとえば、NHKスペシヤル「明治」「地球大進化ー46年人類への道」「ローマ帝国」「NHK世界美術館紀行」「プロジェクトX」などなど、内容の濃い大作ぞろい。いずれも、放映されたあと、再編集され、紙か、DVDに姿をかえ出版販売されている。
映像のいいコンテンツは、文字情報に再編集入力すると、一粒で何度もおいしい思いができる。ずるいよ。これを、ネット向けに再編集し、アーカイブしておけば、視聴者は学校や自宅のパソコンから常時アクセスできるのだ。

語学や料理のテキストなどもこうすれば、役に立つ。出版物という紙媒体に落とさずに、ネットにアーカイブしておけば、膨大な情報量が年々集積でき、視聴者はパソコンで利用することがかんたんにできる。
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NHKの制作し蓄積するコンテンツは、一部の関係者しか利用できない大学などの教育機関よりも、国民各層にむかって、はるかに有効な伝達普及力を持つ。経済、科学、医学、語学、教養、国際、政治に関する膨大かつ深遠な情報の集積である。法律で聴取料の徴収をみとめられているからには、NHKのすぐれたコンテンツは、国民のバーチャルな意味での資産なのだ。

ネットの持つアーカイブという機能こそ、鍵だ。
もうひとつは、映像音声コンテンツと文字記号情報との融合だ。NHKの幾世代にもわたって集積される膨大な映像情報が、文字情報と統合化され、収集編集され、必要時に、だれにでもいつでも引き出せる形が望ましい。ピラミッドやルーブル美術館、エンパイアステートビルとは違う意味での、これは、インフォメーションアーキテクチュアだ。鉄筋もガラスもコンクリートを使わないバーチャルな、いわば、国民のネットライブラリーがNHKの日常活動から、つくりあげられる。これこそ、土建国家に21世紀の公共投資である。
問題は、NHKが、長年にわたりテレビ制作で集積した膨大なコンテンツをネットにはまったく載せていない。、
道路公団のように内輪のファミリー出版企業で、本や雑誌、テキストを有料(それも高価な)で販売している。NHK制作のコンテンツは、視聴者のものともいえる。まず無料に近いかたちでネットで編集し公開すべきだろう。視聴者が聴取料を支払ってNHKに構築された膨大な情報は、もっと安価に国民に還元されるべきではないか。ネットを活用すればたやすいことだ。

紙やディスクの活用も大事だが、障害と限界があり高くつく。無尽蔵に集積編集できるネットのアーカイブ機能を使わない手はない。
ブロードバンド時代には映像情報も、ネットでやりとりできる。NHKが国営に準ずる民営機関であり続けるなら、コソクな身内を潤すようなクロスメディア販売よりひろく国民が無料で利用できるようにネットでのコンテンツ公開にふみきるべきだろう。
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この点では、BBC英国国営放送がすすんでいる。たとえば、テロや第一次大戦、地震などの、ニュース特集にしても、番組放送後のネット上いつまでもアーカイブされている。BBCのネット活用を見習ってほしい。

NHKは、BBCにならい、まず。放送出版ネットという、メディアのかべを超え、こわさねばならない。
わかりやすい例でいうと、「恐竜絶滅」「人類の祖先誕生」などの「先史もの」は、NHKは、いい仕事をしている。
「進化論」を学校で教えることに一部で否定的なアメリカで放映したら、大騒ぎになるかもしれない意欲作だ。
BBCは、このような科学番組をネットにのせている。

NHKのデジタルなアーカイブ(情報資料館)には、図書館、百科事典、大学、病院、法律相談、もちろん災害ニュースの最新または過去の一連の情報が集積できる。国民は、教室、オフィス、自室のパソコンか、テレビで、瞬時に必要な情報を検索できる。

ぼくはNHKのすぐれた語学教育番組に注目している。発音や情景は、日本の教育環境では伝えられない。
たとえば、ぼくなら、テレビ語学番組とタイアップして「NHK版英語大辞典」を編集し、ネット上で公開する。もちろん無料だ。これから外国の言葉を学びたい視聴者に提供してほしい。たとえば、英語の発音、成句、構文、長めの例文をとりいれた英語の辞書は、紙ならば重くてもてないし、めくれないはずだ。ネットなら、いともかんたんだ。ネットの辞書は、画像が動き音声がきこえる。外国の風景や人物の顔も歌声も、ブロードバンドなら、すぐに目の前でみききできる。ネットなら、ネイティブの正しい発音がきける。図書館にでかけなくても、何回もくりかえして。
こんな字引があれば、外国語が苦手な日本人の能力はカイゼンされるのではないか。

投稿者 nansai : 2005年10月17日 14:39