縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2006年6月16日

六月十六日(金)

これは、猫の絵のつもりである。ぼくは、こんな絵を、ウインドウズについている無料お絵描きソフト「ペイント」を使って、マウスで描く。

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描くときはパソコンの前から離れられない、という理由で、写生はできないから、架空の、猫を描く。デッサンの腕前を問われることはない。猫から、ちっとも似てないじゃないか、と文句をつけられることもない。

このようなカンタンかつ幼稚な描写法にこだわる変わり者は、グーグルのイメージ検索してみても、今のところ、全世界でも、そうたくさんは、いない。

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もちろん、絵やイラストを描くプロで、幼稚でお手軽なペイントを利用する人はまずいないが、これから主婦や高齢者の間ではペイント描きは、ぼちぼち普及するかもしれない。

グーグルをぶらついていたら、偶然、「しらが頭の少年」なる御仁のブログに、「ようこそ 私の美術館」を発見した。
http://homepage3.nifty.com/h15k01k25-74_04na/

作者は、どうやら、ぼくよりもかなり年上の元技術者のかたらしい。前置きには、こうある。
「主題の作品は、私が70歳からペイントソフトで、しかもマウスで描いた邪道画です。でも、メルヘン調、ファンタジー調、版画調などといろいろ描き分けたつもりです。ペイントソフトは、どのパソコンにもはいっている簡便ソフトです。」
なるほど、邪道画ねえ。
ぼくの画風?とは、まったく好みもタッチも違うが、高齢ながら、かなりの好奇心の持ち主とおみうけした。昭和一けたの天邪鬼という点では、共通しているようだ。なにしろ、いまどき、「ペイント」でマウスをうごかして、緻密な計算のもとに、絵を描こうというのだから。
それも「邪道画」と称しているところは、したたかな反骨の気風がうかがわれて微笑ましい。
「しらが頭の少年」氏、いわく、ねらいは、「お絵描きソフトともいわれるウインドウズペイントで、どこまで鑑賞に耐える「大人の絵」が描けるかへの挑戦だ」と。
当然パソコン歴も、ぼくより年季がはいっていて、目標も、さすがエンジニアらしく、ご自分の考え方が、誠実に明確に掲げられている。
つまり、デジタル画像処理技術と、アナログ的描画手法(マウス・手描き)とを組み合わせて描いた画像を「部品」と考え、それらを組み合わせて、画面を構築してゆく「作風」の確立がねらいだそうだ。いいねえ。その志や、壮たり。
一面識もない先達に、こころより拍手声援を送らせていただく。ますますの精進とご健闘を祈りたい。

なにを隠そう、ぼくのこの縦書きブログの目玉も、内容にとぼしい文章ではなく、じつは、絵なのである。MSペイントて、マウスをこちょこちょと操って描く「絵のようなもの」だ。それを、長短の文章と混ぜ混ぜして、絵巻物のようにえんえんと横スクロールしたら、どのようになるかを本邦初で実験中というしだい。横に長い長いイヌなど、わざと描いているのはそのためだ。今のところ横に長いだけなら、どこにも負けないスクロールのはず。(そんなことをして、何になる?といわれると、答えに窮するのだが)

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こどものころから習い事は苦手だ。ぼくは、師匠にも手引書にもお世話にならず、このお絵描きも、古希近くになって、自分で工夫して勝手気ままに独習した。サッカー選手は新聞に載っている写真を見て描いたものだ。

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身を削って苦労して、絵をアートとして描いている人たちのなかには、あんなインスタントなものは絵ではないと眉をひそめる向きもあろう。
しかしだ。ぼくのような人間が、こうやってデジタルの恩恵でらくちんして描いている。キャンバスも絵の具も使わない。お粗末に見えても、これしもレッキとした絵だと思いたい。ウオーホルのシルクスクリーンのように、旧石器時代のアルタミラの洞窟の壁画のように、と、ぼくは、ちょこまかとマウスを動かしながら思うのだ。

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きけば、いまや空前のイラストレーションブームだ。
絵の好きなこどもたちも、どんどんペイントに挑戦し、たちまち卒業して、さらに上級高度なソフトへと離陸してゆくことだろう。
「ペイント」がお子様用三輪車なら、F1レースに出るレーシングカーのようなソフトもでてくるだろう。ぼくは、乗りなれた三輪車でゆっくりとお絵描きを楽しむことにしよう。

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投稿者 nansai : 2006年6月16日 14:04