縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2006年10月30日

十月二十七日の二

新庄劇場
日本ハムが、あっさり中日を下して、日本一となった。
目立つsinjyoは、札幌ドームで、社会現象となり、盛り上がった北海道では、試合中継のテレビ視聴率が70%を超えたという。
日本シリーズが、涙の新庄ショーとなり、予期せぬ引退試合になった。ぼくは、あっけにとられ、かれの白く輝く歯のイメージを、谷岡ヤスオの「アサー」バージョンを借りて、あらわしてみた。

nansai061030.jpg

「新庄劇場 大団円
44年ぶりハム日本一」
今朝の毎日新聞の一面(スポーツ欄ではなく)の見出しである。驚いたことに、三段抜きのカラー写真は、新庄選手の(監督のではなく)胴上げシーン。

テレビでは、今季限りで引退する新庄の涙、涙でくしゃくしゃになった顔のアップが望遠レンズでとらえられ、繰り返し写し出される。
何もかも異例ずくめである。
観客席のあちこちに「新庄ありがとう」のプラカードが。翌日の各番組は、新庄語録のオンパレードだ。プロ野球に身を投じて17年間の言動を事細かに報じている。それも好意的に。
早々と引退を表明したが、まさか日本シリーズに出られるとは、本人もおもっていなかったにちがいない。
恐ろしいほどの強運の持ち主だ。からだに気をつけなければと、本人もいっている。

ぼくは、マスコミの「感動ありがとう」の大合唱には、鼻白むものである。
かれは、攻守走の天性の身体能力に恵まれた有能選手であり、ここでなにかをやってくれそう、という意外性への期待は、打率三割にははるかに届かないにしても、かれ独自の魅力だった。
天性のコピーライターである。当為即妙のとっさの(考え抜かれたのかもしれないが)一言が、バツグンの「間」で、意表をつき、見出しになった。
「がんばりますから、応援よろしくお願いします。」など、選手が言うせりふではないとも。

しかし、かれが引退の理由として、あげたのが、
「開幕戦に、さっぽろ球場を4万人の観客でいっぱいにできたから、自分の役割はもう終わったと思った。」でも、それは、野球選手の役割としては、ちょっと違うのじゃないの、と思ったのだが。
早実の斎藤投手とは、好対照だ。こんな日本人離れした野球選手は、二度とでてこないだろう。

投稿者 nansai : 2006年10月30日 13:47