縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2006年10月31日

十月三十一日(火)

赤いケシの花のバッヂ
けさ衛星放送でBBCニュースを見ていたら、キャスターもチャールズ皇太子も、襟に赤い徽章を挿しているのに気づいた。

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これは、真っ赤なけしのペーパーフラワー。英連邦各国で、二度の世界大戦の戦没者を弔う日のシンボルとのことだ。
ダークな服の襟にさりげなく挿してあるのは、おしゃれな感じだ。赤い羽根よりは。
十一月十一日が、REMEMBERANCE DAYに制定されている。忘れてはいけない日、とでも訳せばいいか。けしの花はその日のシンボルとされているらしい。
十一月十一日十一時に、二つの大戦の戦没者を悼んで二分間の黙祷をする。英国では、べつに「忘れない日曜日」が十一月の第二日曜日と決められて、こちらがメインだとか。
日本では、首相が、靖国神社に参拝するかしないか、でもめている。追悼施設も、もつれにもつれた特定の場所にこだわることはない。発想を変えてはどうだろう。
日と時間を決める。その日どこにいようと、国民がこうべを垂れて、今度の大戦の戦没者を、もちろん軍人だけでなく一般市民をふくめて、追悼する。シンボルには花がいいが、菊はなじまないと思う。

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なぜ、英国では、戦没者を弔うのに、赤いけしなのか。ネットで調べてみた。「フランダースのけし」という第一次大戦で戦死したカナダの軍医が作った詩からとられ、いろいろないきさつをへて出版され、いまでは詩の一節がカナダでは、子供たちに暗誦され、切手やお札にとりいれられている。
在郷軍人会が強力な後押しのキャンペーンをはっているようだ。
昨年の戦勝記念日には、六十年前の終戦を記念して、百万本のケシが、爆撃機から、イギリス皇室の見守る中、二十五万人の市民の上に投下された。

整然と構築されたBBCネットには、このような昨年の記事が色刷りで、数回クリックすれば、アーカイブからすぐでてくるのだ。

わが国の歴史教育の根底には、膨大な史実のアーカイブが必要だ。それはネット上にしか構築しえない。
なによりも、戦争の記録をネットの上にしっかり記録し、いつでも参照できるようにしておくべきだろう。
そうすれば随時日本だけでなく世界の文明や歴史の流れが誰にも学べる。歴史認識が危ぶまれている総理大臣にも、受験のため履修の機会が失われた高校生にも、主婦にも高齢者にも、もちろん世界中の日本史研究者にも、役立つはずである。
史実アーカイブ構築は、国家プロジェクトだ。NHKの大事な仕事になるだろうし、究極の知的公共事業である。

投稿者 nansai : 2006年10月31日 14:36