縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2006年12月21日

十二月二十一日(木)

ハコ入りチョコレートは黒く苦い
クリスマスプレゼントとは関係ない。
最近、健康志向男性向けにチョコレートが宣伝され店頭に出回ってきた。黒くて苦いやつだ。

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ここにきて、ココアやコーヒーが、健康にいい、とあちこちの研究機関で証明されたのだ。心臓病にも一部 のがんにも、いい影響を与えることが、研究で証明されたらしく、チョコレートメーカーは、甘いものの苦手な男性を菓子市場に誘惑しようとしている。

大歓迎である。ぼくは、何を隠そう、大のチョコレート好きなのである。戦時中こどものころ甘いものに恵まれなかったぼくらにとっては、終戦後に進駐軍の持ち込んだチョコレートは、ああ、神の造り給いし地上の美味としか思えなかった。

でもカロリーが高そうだ。
もともとチョコレート好きのご婦人方も太るからとダイエット上敬遠せざるを得ない状況だったのが、健康によいという解禁?のお触れである。
これで血圧の高い太目のお父さんも、がんの予防にもなるとなれば、おおっぴらにチョコレートを健康のために食べてよし、ということだ。

にわかに、お父さん向けに甘さを抑えた黒い苦いチョコレートが、国内メーカー、海外専門メーカー製を問わず、いっせいにお菓子売り場の店頭になだれ込んできたのだ。

それはいいのだが、奇妙な現象に気がついた。
日本製ブラックチョコは、どれも立派なぴかぴかの黒い箱にはいっている。箱の紙質がいいから、一見してお子様むきでなく、お父さんのチョコレートとわかる。が、妙に軽いのだ。箱を振ってみると、のなかでかさかさと音がする。ちいさなチョコ片がきちんときれいに包装されて、たったこれだけ?と数えるほどしか入っていない。過剰包装といわれてもしかたがない。

報道によれば、心臓病の予防にアスピリンに代わって、少量のチョコレートが処方されることにもなるかもしれないのだ。
健康にいいのなら、牛乳や納豆のように、ずっと食べ続けるのがスジではないか。毎回、豪華な?箱代を払わされるのはごめんだということになる。

一方、外国のブラックチョコレートは、がっしりした農夫のように正直者にみえる。ずっしりと重く、そのまま、アルミホイル包装してきっちり紙のラベルが巻いてある。

日本のチョコレートメーカーが、貧相な中身を化粧品のように過剰包装でくるむのは、これは欧米との文化の差か、健康志向のお父さんさんたちをたぶらかそうとしたのか。(冒頭に描いたチョコレートは、ベルギー製。これを輸入した日本の菓子メーカー製のと、くらべてほしい。)

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お父さんたちは、駄菓子屋はとっくに卒業した。
「なんだよ。日本の男のチョコレートは、上げ底だ。
コソクなやりかたじゃあないか。」
ぴかぴかのきれいな箱に「チョコレート効果 CACAO86%」と、さも薬効あり気に記載してあるのだが、振ると箱の中でかさかさと音がする。中身がすこししかはいっていない。切ないねえ。
りっぱなハコ代とテレビ広告費をひくと、中身のチョコレートがやせて小粒で貧相なのは、仕方がないのだろうか。おかしいね。

この国では、上げ底、ハコもの主義は、すたらないのか。
日本列島の隅々の町や村に借金で建てられた公共建築物、公民館やテーマパークなどのコンクリートの「ハコモノ」が、バブルが終わって、企画したお役人がつるしあげられている。問題だ。どうするのだ。
ハコにつめる中身がたりなくて、リピートのお客が呼べないから、赤字、開店休業が多いのだ。
夕張や大阪のように、ハコだけ作れば後は何とかなる、という無責任なずさんな計画がついにあらわになり問われている。民間ならば、倒産だ。
地方自治体の常套手段が、地元にカネを落とすために、補助金をせしめて、せめてハコだけでも、という無責任構造だ。津々浦々に見受けられる日本独特のものなのか。
健康にいいはずの黒いチョコレートのハコをかさかさ揺さぶりながら、考えてしまった。

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話は飛躍するが、選挙が、問題だ。
候補者を、何で選ぶか。なにがはいっているか、(マニフェストがないし、なにも入っていないかも知れない)外側からはわからないから、箱で選ぶ。チョコレートのように、箱でしか選べない。これがこわい。
有権者の半分は女性だから、テレビのうえでの見てくれが第一。チョコレートのように、箱がりっぱでぴかぴかなら、有利だ。つまり、ハンサムか、おもろいか、好感度(芸能人がわかりやすい)が決めてだろう。
今の安倍首相も、わかさと長身とハンサム度で、なにもしないさきから、なにもできなくても、支持率が高いのは異常である。
かつての知事選挙では、東京都民は、青島幸雄を選び、大阪府民は、ノックを選んだ。

「人は見た目が9割」という本がベストセラーの上位を走っている。むかしから箱と中身のカンケイは、あやしい。

投稿者 nansai : 2006年12月21日 14:23