縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2007年1月23日

一月二十三日(火)

ガム犯
このごろ地下鉄御堂筋線で、時々耳慣れないアナウンスを耳にする。もごもごと歯切れ悪くききとりにくいのだが、前代未聞のこんな内容だ。
最近ガムを座席に付着させる悪質ないたずらをするものがいる。発見したら、乗務員か、最寄の警察官に通報してほしい。

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「痴漢は犯罪です。もし見かけた方は:」は、もう耳タコだが、ガム犯?は初めてきいた。
まことに容易ならぬ犯罪、というほどのこともないが、ネットでしらべてみたら、毎日新聞が暮れに取り上げていた。
御堂筋線で座席や握り棒にガムを付着させる悪質ないたずらが急増している。昨年八月から突然増え始め、230件を越えたそうだ。被害は、御堂筋線だけ。
まったくもって、けしからん。
だが、経営効率が低すぎると吊るし上げられ、民営化を迫られている大阪市交通局には悪いが、笑えてくる。いやあ、大阪は平和な町なんだ。バグダッドにくらべれば。

さてと、このくちゃくちゃ噛んでくっつきやすくなったガムの絵は、むつかしい。ま、なんとか。

ところで、この犯人。特定のグループではないかと推測されてるが、なんとよんだらいいか。すり、痴漢など、伝統ある地下鉄犯罪者のネーミングがまだ定っていない。ガム犯?恐怖のガムマン?

ぼくは観ていないが、映画「それでもぼくはやっていない」で話題の冤罪は、起こり得る大問題である。こわい話だなあ。
満員電車のなかの痴漢行為。たとえ身におぼえがなくても、突然「このジーさん、ちかんでーす」と、そばの屈強な女性につるし上げられたら、もうアウトである。駅長室につれていかれるらしい。彼女は確信犯で断固あとにはひけないから、「すみません、間違えました」はないのではないか。へたくそな最悪な審判のように。

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錯覚だ。誤認だ。「ぼくはガムをかんでいない、」とわめいても(ぼくも、だんだん興奮してきた)、相手は、思い込みのつよそうな女性。ぼくはもうトシだが、拘置されて白状をせまられたら、どうなる?ふつうの人は重圧に耐え切れない。家族も、うちのパパならやりかねないと、あきらめ顔だ。無罪を主張し続ける自信がなく、どうでもいいから、自白でも署名でもなんでもする。早くここから出してほしい、と思うようになるだろう。

しばらくのあいだ地下鉄御堂筋線では、不用意にガムを噛むのは、やばいかも。李下に冠をたださず、というではないか。
厳戒態勢(うそだ)中の「最寄りの」警察官にまちがって通報される可能性なしとしないのだ。

投稿者 nansai : 2007年1月23日 16:27