縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2007年1月31日

一月三十一日(水)

セイウチの絵を描く

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つくづく、いい顔しているなあ、しかしソラでは描けない動物たちがいる。未熟なぼくが、そのうちに、なんとか描けるようになりたい動物だ。三種類いる。
セイウチ、イグアナ、カメレオン。
ふだんみたことがないから、描くのは容易なことではないが、ひまつぶしにはもってこいだ。

いずれも、テレビの秘境の動物番組いがいでは、なかなかお目にかかれないグロテスクな面々である。愛嬌のある、ひとくせある複雑な顔と体型の持ち主だ。
そこらを走り回っているイヌやネコを描くように、特徴をつかんでスケッチできない。
動物園で運よく出会ったとしても、瞬時のデッサン力がなければ、たとえ円山応挙でも、めったに見慣れないかれらの姿を形にのこすことは、至難のワザであろう。

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テレビの秘境動物番組は、ぼくのごひいきである。
動物園にでかけなくても、ここで、珍獣たちに出会えるのだ。録画しておいて、いい表情はデジカメで撮っておくようにしている。
国内外、ほとんど旅行しないぼくが、いちばんお世話になるのは、南極から、アフリカ、アマゾンまで。いながらにして世界が見渡せるサーチエンジンである。

グーグルで探し出した写真を並べて見ながら、マウスで描くことになる。らくちんではあるが、思うようには描けない。とりあえずセイウチをと、たのしく、悪戦苦闘している。つぎは、声量豊かな美声の友人のカンツオーネの熱唱振りを、貫禄十分のセイウチにたくしてみた。

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そんなぐうたらなぼくが、ある晩、テレビをみていて、ほとほと感心した。
アメリカの有名な絵本作家ターシャばあさんの庭がNHKでこのところ毎年紹介されている。バーモント州の寒村の山の中の一軒家に一人暮らし、91歳で現役の絵本作家だ。彼女の自然な庭も有名だが、描いた絵本は百冊を越える。小さな子にとって、お話が魅力的なのはもちろんだ。
絵が、とにかくうまい。デッサン力がすごい。

テレビを見てぼくが感心したのは、90歳をこえた彼女のプロとしての目とワザである。イヌやねこ、動物のさりげない生き生きしたシーンをとらえ、肉眼に焼き付ける。その場で、いつも傍らの、小さなスケッチブックに、さっとデッサンする。おそれいりました。
ぼくのように、ろくにスケッチもせずに写真をみながらおたおたマウスを動かすアマチュアとは、くらべものにならない。
彼女は、幼いころから、肖像画家だった母親からきびしく対象を目にしっかり焼き付けるように仕込まれたそうな。すごいなあ。まねのできることではない。

投稿者 nansai : 2007年1月31日 16:04