縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2007年3月14日

三月十二日(月)

ダイスケの魔球?

新聞休刊日の今朝、テレビニュースが、大リーグオープン戦で、松坂大輔投手がホームラン二発をくらい、ノックアウトされたと伝えていた。
「ええ―、それはないよ、」
と、寝ぼけたぼくはベッドでのけぞった。
必殺のはずの魔球ジャイロボールはどうしたのだ?
愛国者のぼくは、にわかダイスケファンになっていたのだ。
ネットの上だが、知らぬ間に、現地ボストンでの前評判にのせられていた。その矢先のノックアウト。なんということだ。
あまりに付け焼刃だったが、この絵巻はダイスケ礼賛をテーマにしようと思っていた。つぎのように。

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NHKでも、連日、大リーグのオープン戦の日本選手活躍の模様が報じられている。ハシのこけたようなことまで報道するから、どうかと思う。やはり、海の向こうに嫁に出した気分で、晴れがましく気になるのか。
井川を拉致された阪神ファンは、どうしてくれると「ブウーイング」なのだが。

なかでも、松坂大輔投手の前評判は、すごいようだ。レッドソックスの本拠地ボストンでも、ちょっと過熱気味、ひいきの引き倒しではないか。

ダイスケの呼び方も、DICE-Kと、アメリカ人に覚えやすく、うまくひねられている。
DICEはサイコロで、Kは三振だ。背番号18をおまけにつける。Tシャツは、ネット上でみるかぎり、サイコロの絵とアルファベットのKをあしらったのが多い。
アイデアをいただいて、ぼくもオリジナルデザインで、描いてみた。(サイコロを立体にしたのが独創的なのだ。)

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かれのジャイロボールが、日本で開発された魔球としてはやされている。ゲームや漫画ともカンケイがあるらしい。
本人は、そういわれても、ぴんとこないらしいのだが。
半信半疑だが、ニューヨークタイムズもワシントンポストの一流紙も、図解入りで、科学的に、くわしくとりあげているから、びっくり。ウイキペディアでは、英語版日本語版どちらにも、かなりの情報量がのっている。ダイスケ以前に、ゲームや劇画でも魔球はとりあげられていたらしい。
ジャイロボールとは、進行方向に回転軸がむいており、ライフル弾のような螺旋回転をしながら進んでゆくとあり、なんのことやらよくわからない。
ニューヨークタイムズは、新しい球種は何十年に一回くらいしか出現しないものとして、胡散臭そうにジャイロボールをとりあげている。日本人でジャイロボールの普及をアメリカに宣伝して回っている人がいるらしく、その言動をルポしている。

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しかし、思えば、夢のような話ではないか。大リーグで、日本選手がこれほどまでに、期待されようとは。
ノックアウトされても、ダイスケは動じなかった。たいしたやつだ。
メイドインジャパンのジャイロボールが、まぼろしに終わっても、ネス湖の恐竜やツチノコのように、話題になるのは愉快ではないか。
新しい球種もかつては、先生格のアメリカから、教わったものだ。スライダーも、火の玉投手ボブフェラーが投げたものだ。

戦後すぐは、大リーグ野球と日本のプロ野球では、月とすっぽんと、ぼくらは思っていた。
1949年10月、日本のプロ野球が震撼した。
サンフランシスコ シールズがオドウル監督に率いられて来日した。日本が敗戦してわずか5年目だが、熱狂的歓迎を受けた。
当たるを幸い、日本チームをなぎ倒して、7勝をあげた。当時の日本の名だたる人気プレーヤーたちも歯が立たず、とにかく強かった。

少年のぼくらには、かれらが、大リーグやら格下のマイナーなのか区別はつかなかったが、とても太刀打ちできないという実感だった。体力格差、技術格差、戦術格差。どれをとっても、こりゃかなわんと思い知らされた。
草野球仲間と、一塁手ウエストレークの打撃フォームの真似をしたりした。内角球に対して肩を低く落とすスイングがかっこよかった。テレビのない時代、どうして仲間がウエストレークのフォームをさがしだしてきたのか。雑誌写真の切り抜きだろうが、はっきりしない。ぼくが、今ゴルフでダフリまくる遠因は、ここにあったかもしれない。
当時は大リーグの試合は白黒のニュース映画でしか見られなかった。ジョーディマジオのスタンスの広いノーステップ打法に眼を丸くした。

昭和24年。日本球界に大きな影響をもたらしたサンフランシスコシールズの来日。あれから、60年近い歳月が流れた。その年、日本のプロ野球は分裂して、セントラルとパシフィックの2リーグにわかれた。

日本の街を、米軍のジープやトラックに混じって、日本製のオート三輪がよたよた走り始めたころの話だ。
ことし、トヨタがGMを抜き、世界一になるという。

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イチロー、マツイ、ダイスケ。
民族の体力格差は、しかたがない。育った日本野球の特徴を生かして、めいめいが世界の水準を抜いたのだろうか。


投稿者 nansai : 2007年3月14日 11:37