縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2007年3月19日

三月十七日(土)

関西空港ゲートにて

所用があって、久しぶりで、週末、飛行機に乗った。
さいきんは搭乗手続きも思ったよりもスムーズだなと楽観していたら、ゲートでひっかかった。何度も、警報音がブーブーとなって身体検査されるはめに。

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若い係りが、天眼鏡みたいな機械で、ズボンのすその折り目から、メタ腹のなかまで触って、厳重にチェックする。小銭、デジカメ、めがねケース、そうざらえしても、凶器は発見されない。同伴の老妻が呆れ顔で見守るなか、10分間検査されたが、ブーブーの結論がでない。

係りは首をひねりながら、ズボンのベルトのバックルではないでしょうか、ということで、無罪放免、やれやれ飛行機に乗れた。
老人のぼくは、慶事のため、黒っぽい背広に白いシャツ、地味なネクタイで身を固めていた。「こいつがテロリストかも」と推理するのは、かなり卓越かつ飛躍した推理力が必要だと思う。

ぶー、ぶー、あやしいぞ、あやしいぞ、と連呼し告発し続けたのは、ゲートの警報装置だ。
いうところの冤罪なのだが、満員の地下鉄で、いわれなく、隣の若い女性にブー、ブー、このジーさんチカンですう、と警報されたら、どうしようと思ってしまう。ぼくは、駅長室に連行されるだろう。警官が来る。告発した女性は、ムシの居所がわるく、空港のゲートのように警報音を発したのかもしれない。ブーブー鳴るだけでゲートは弁護してくれない。おそろしいことになる。「それでもぼくはやっていない」という映画のようになるかも。解放されたいぼくは、おそらく、かんたんに屈服して、犯してもいない罪を「自白」するだろう。

「こいつ、あやしいぞ、怪しいぞ」と、警告するゲート。
空港では、ゲートのそばに、人間がいて、天眼鏡で再チェックしてくれる。ありがたいことだ。だから、腹も立たない。
でも、ハイジャックを防ぎ、凶器になりそうなものを、事前に発見するのが、究極の目的だろう、といいたくなるねえ。
モノは考えようだ。この年齢で、ハイジャック犯候補として、厳重なかつご懇切なるチェックを受けたことは、ぼくがあまりよぼよぼにみえなかったわけで、光栄なことだ。この日の関西空港では、ぼくがゲートイン前の最高年齢容疑者だったのではないか。ご苦労ではあるが、あほと違うか。

現場での目撃証人は、たいせつなのはあたりまえだ。
深夜の交通事故では絶望的だ。相撲では、勝負検査役が土俵際に座っている。野球の線審は、人手がたりなくて、あてにならないとされている。アメフトは、チャレンジ制度があって、ビデオで再チェックが許される。ゲートのうしろに人間がいてくれてよかった!

投稿者 nansai : 2007年3月19日 12:20