縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2007年6月28日

六月二十八日(木)

まぜて、ばれないブレンド食品

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高温の油でこんがり揚げられたら、コロッケの中身の肉は、外見では、わからない。あつあつで、おいしそうだったら、食べてみても、ぼくなら味の差はわからないのだろう。

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ブタやニワトリを牛と偽っても、ひき肉にすれば、わからないという、苫小牧の食肉加工卸「ミートホープ」社の牛肉偽装事件。はたして前代未聞なのか、この業界ではごくあたりまえのことなのか。
社長は、たたき上げの商売人で、アイデアマン。賞状までもらっている。ひき肉の「匠」的存在だ。

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棄てるのは、もったいない。リサイクルだ。と、思ったのかどうか、20年前からいろいろ創意工夫して、コストダウンのために、トリであれカモであれ、ありとあらゆる種類の安い肉を、工夫してまぜたらしい。混ぜると、うまくなるとも。
でも、ラベルを偽造して、騙したらいかんなあ。そして、大もうけして一族で系列レストランを経営するなど企業は栄えた。
この一年だけでも、368トンのひき肉が出荷されたというから、コロッケはいったい何億個?出回ったのだろう。

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田中社長のうそぶくとおり、かなしいかな、消費者は、値段にはこだわるが、品質の見分けがつかない。くやしいね。
だから、20年以上も、ばれなかった。ラベルに表記された内容をうのみにするしかなかったのだ。

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天網恢恢、疎にして洩らさず。といいたいが、結局、内部告発でしか、味の差(あったとしてだが)や賞味期限切れは見抜かれなかった。
だが、どうせばれないと「牛肉」と、大きくあつかましく表示したのが、うんのつきで、JAS違反どころか、詐欺罪にとわれるだろう。このような角をはやしたブタはいないからなあ。

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生協もスーパーもレストランも、専門家がいるだろうに、見抜けない。ほんとだろうか。業界では、当たり前で、農水省などお役所も、消費者よりも業界よりではなかったのだろうか。

ぼくは、食品業界には暗いが、もともと、食品加工とは原料をまぜることだろう。
ブレンド、ミックスされた食品がどんなに多いことか。まぜて、付加価値をつけるか、格安品をつくるかだ。
ウイスキー、ワイン、米、お茶、コーヒー。発泡酒。みなまぜて、等級の差をつけている。

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しかつめらしい顔をして、テスターとか ブレンダーが、味の差をチェックする。しろうとでは、とても感知できない感性の世界なのだろう。いうほどの差はあるのだろうか。
発泡酒も、まぜられたら、どんな組成かよくわからん。目下、大宣伝中の「ビール」?と思ったら、「お酒」としっかり記載されていた。ますます、「名が体を表さない」時代である。
この豊かな時代に、日本の食の宝庫である北海道での食品加工会社が、内容を偽って、ラベルに不正に記載した。
北海道ときくだけで、新鮮なイメージだ。くいだおれの大阪のデパートでも、北海道展は押すな押すな。うまくて安いコロッケは、目玉だったのではないだろうか。

このところ、企業は、西部劇でいえば、無法地帯にいる。保安官がいない、いや、法律がない。
法の網をかいくぐるか、法の網が追いついてきていないかである。
経営者の平身低頭のお詫びシーン、新聞の社会面の小さい字で組まれたお詫びとリコール広告は、日常化した。
古めかしいが、社是、社訓、経営理念、商道徳、良心のかけら、必要なのかなあ。

投稿者 nansai : 11:37

2007年6月22日

六月二十二日(金)

さいきん動物園にいきましたか 


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先日、動物園の飼育係だった若い女性に紹介された。もちろん彼女はウサギではない。おさないころからの動物園好きがこうじて、専門の学校を出て、動物園の飼育係になったそうだ。
いまは、元飼育係の立場から、自分で本を書いたり講演したりして、たくさんのひとに動物園の楽しさを知ってもらおうとPRしている。

時代におくれまいと、動物園も、ずいぶん改革されたらしい。
白熊とかパンダとか花形の動物以外に、つきあうとおもしろい動物がたくさんいて、みていてあきない。めいめいにファンがついているそうだ。
アリクイにアリのかわりに、何を食べさせているか、あとずさりするヤブ犬、(ブッシュドッグといってジョークにもなっている)とか、面白い話をどっさり聞いた。
ぼくは、動物園にはごぶさたしているが、テレビの動物番組はごひいきである。動物ドキュメンタリーは録画している。話をきいて、動物の飼育のご苦労と達成感がよく理解できた。

ただ、ぼくは、さいきん動物園にいったことがないから、絵にしょうがない。資料を頼りに、食欲旺盛なアリクイのお食事風景にでたらめにトライしてみた。

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この絵は、オオアリクイが、アリのご馳走を一匹ずつねばねばした、長い長い舌で、すばやく吸い取って食べているところ。(まわりにみせると、力作なのに、なんの絵だかよくわからん、というブーイング)
もちろん、動物園では、アリ塚はないからアリを大量に集めるなど、こんなおもてなしはできない。さて、実際のえさは、どうしているか。
くわしくは、彼女の本にのべてある。
仲尾有加「動物園で楽しいひとときを 元・飼育係が語る、とっておきエピソード」新風舎刊。
本屋に並んでいなければ、アマゾンで買える。

その本は、まず、あなたは、最近、動物園にいきましたかと、きいてくる。そういえば、まったくご無沙汰の大人は多いことだろう。
いろんな人がさまざまな動機で動物園を訪れてたのしんでいるようだ。
お弁当を持って動物たちに会いにゆこう。
隣のイタ飯食堂「マリアン」で、お話とサイン会(コーヒーとクッキーつき)どうかな。



投稿者 nansai : 11:54

2007年6月20日

六月十七日(日)

めったにないことなので

今朝の日曜日は、気分がいい。岡の上のコンビニに、いそいそと坂を上ってスポーツ新聞を買いに行く。
昨日のロッテ戦で、阪神が、実に久しぶりで大見出しになったのだ。

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押されっぱなしで敗色濃厚のタイガースが、
土壇場の9回、一挙9点をあげ、苦手ロッテを見事逆転。いまや12球団中で、あの最貧打のタイガースが、9点とって、うっちゃったのだ。奇跡だ。信じられない!
めったにないことなので、サンケイスポーツ、スポニチ、デイリー、ニッカンと、スポーツ報知を除いて、各紙買う。ついでに、お昼の祝杯用に、プレミアムビールを一本。249円。

野球は、筋書きのないドラマだ。プロレスとは違う。
新聞の見出しは、各紙とも、アニキ金本を褒め称えるのが、大半だ。金本の不言実行はたいしたものだが、よいしょは、くだらん。

「若虎、ミラクル呼んだ」
と見出しにかかげたのは、なんとスポニチだけ。
ほんとは、ここがポイントなのに。

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エンドランかけて、もっと動け。桜井、狩野、庄田など、もっと辛抱強く、若手を使え。など、これまで鬱積したOBやファンたちのオカダ監督へのブーイングは正しかったのだ。
ようやく、というか、しぶしぶというか、オカダ監督がなりふりかまわず、打線に若手を起用し始めた。
かれは、球界では、誇り高いエリート中のエリートである。かたくなにヒットエンドランを毛嫌いしていたのに、塁上の走者にサインを送り始めた。
結果は二塁で刺され盗塁は失敗したが、解説の梨田が、「これでいい。きょうから、阪神の野球は変わりますよ」と叫んだのには、正直、驚いた。

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屈辱の借金10は危うく免れたが、ほっとしてはいけない。なんとか世代交代を急がねばならぬ。

ことし、阪神から広島にトレードされた喜田は、阪神時代は、一軍の打席に起用されても、これで失敗すると、また二軍にもどされると、がちがちの金縛りになっていたという。広島に来て、監督のおおらかなアドバイスもあってのびのび打てる。そして、結果が出せて、うれしいそうだ。阪神を出された喜田は、いまや広島の希望の星になった。

阪神は、監督の方針なのか、林はようやく日の目をみたが、桜井など、若手の出る幕を押さえてきた。上が、怪我をしなければ、打席に立てなかった。
外人監督率いるパの高卒選手は、若くてぴちぴちしている。スコアラーの提供するデータを信じて、思い切ってのびのびバットを振っている。専門家の目からみると、阪神の選手は、振っていないそうだ。そして、結果が出せず、出る幕のないままに、どんどん年を食ってしまう。いまこそ、しゅんなのに。
阪神の元若手が、パの他球団で、活躍しているのをどうみるかだ。
ま、ぼちぼち、いこか。これからや。

年功序列は、なんだかお役所仕事みたいだ。それに、むかしは、負けが込むと、おさだまりの内紛。あれはいただけない。

投稿者 nansai : 15:40

2007年6月13日

六月十三日(水)

フランス外人部隊とコムソンと

衛星放送のニュースでみたのだが、アフリカの部族間の内戦の鎮圧作戦に、フランスの外人部隊が送り込まれていた。無政府状態の現地の軍隊は、無力であてにならないからだ。画面に映っていた外人部隊は、みな屈強な黒人のプロ兵士で、命令は、フランス語だ。

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外人部隊の存在を、ゲーリー・クーパー主演の「モロッコ」で知った。ちっとも似ていないが、往年の大スター、ゲーリー・クーパーのつもりだ。戦後の上映だったが、外国人を雇って兵隊にするという発想が、当時ぼくには意外に思えた。
いまは、グローバルな市場原理がまかり通る世紀である。忠君愛国のお題目を掲げ、一銭五厘の葉書で呼び出して、男一人ずつ徴兵できた時代は、先進国では終わりを告げた。

21世紀的「傭兵の時代」がきた。
アメリカもベトナム反戦運動にこりて、徴兵制をやめた。
アメリカが仕切っているイラク戦争でも、現地には、戦争請負会社が二万人のベテラン兵士を雇って駐留させている。正規軍では、間に合うはずがない。莫大な人件費が軍費として支出されている。

従軍も、勲章や名誉よりは、契約、カネ(学資、資格の名目をとるばあいも)しだいになるかも。
採算にあうとみた企業が戦争請負をビジネスモデルに組み入れられるかどうかできまる。コムソンや警備会社とおなじだ。当然のことながら、国是にそう補助金も、目当てだ。
このばあい、愛国心も関係ない。何事も契約なのは、大リーグ選手と同じ。高給を受け取る代償として、戦死しても、国に殉じた英雄として、国立アーリントン墓地に葬られることはない。

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これからは、ますます、軍人の調達がままならぬ時代がくる。フランスの外人部隊の募集も各国でおこなわれている。制服も、凛凛しくかっこよくしなければ。

「ぼくは ぐんじん だいすきよ
 いまに おおきくなったなら」
幼児のころから、歌って育ったのが、ぼくの時代。
これから教育に力を入れ、愛国心を涵養しても、兵隊さんになってくれる子は、すくなくなるだろう。

国の建前としても、人手不足でない袖は振れないから、ややこしい、むずかしい、しんどい仕事は、グローバルに外注せざるを得ない。いま、過疎の地方からひっぱりだこで、ほめられているのが、民営刑務所だ。
民営化は、すなわち、専門の技術を持つ人材の怒涛のごとき、輸入ということになる。

三十年後はどうなるだろう。
自衛隊は、プロ野球や大相撲のように、体力の優れた、アジア各国からの兵士が参加するようになろう。
大阪夏の陣、冬の陣で、大阪城に入場したのは、浪人の大群だった。山田長政のように、海外で雇われた例もある。当時の東インド会社の傭兵の半数は日本人だったそうだ。鎖国前の日本人は、グローバルだったんだなあ。

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高齢化の日本。これから、課題は、介護だ。コムソンをこてんぱんに指弾しても、そのまんま、大きな課題は残る。だれも引き受けたがらないババは、残ったのだ。
誰にもできる仕事ではない。ナイチンゲールの博愛精神だけでは、続かないらしい。かなり強靭な体力と専門技術訓練が必要だ。景気が上向き始めた日本では、介護に振り向けられる人材の求人難は、必至。絶望的といってよい。
介護のための外人部隊をどう編成するか。
イギリスなど先進国へは、フィリピン、シンガポールが、国単位で、訓練された介護要員を「輸出」している。輸出産業なのだ。
だが、この国では、日本語と文化の厚い壁が、グローバルな人材の輸入を阻む。どうしたものか。





投稿者 nansai : 14:49| コメント (0)

2007年6月12日

六月十二日(火)

黒いTシャツ
がらがらの千里中央駅で、黒いTシャツ姿の男を見た。
背中にただ一行、「低所得者」と書いてある。

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着ていたのは、どちらかといえば貧相な中年のおっさんだったが、なんとなく凄みがあった。ローマ字でデザインされた意味不明なTシャツより、ぎょっとする。メッセージ性というほどのこともないが、あの黒いTシャツは、刺青の役目をはたしていたな。

投稿者 nansai : 15:14

2007年6月 8日

六月八日(金)

知られざる「みどりの大阪新名所」

新緑が眼にまぶしい季節、いま、大阪で一番美しい風景。それは、モノレール彩都線の阪大病院前駅から、万博東公園駅のあいだである。

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地上三十メートルの高架線上を、音もなく走るモノレールから見下ろす眺めは、緑の絶景である。
右にみえますのは、万博の森だ。くすのきが欝蒼と茂って延々と続いている。
眼に青葉。さくらも、もみじもいいが、万博の森の絶景は、緑の海だ。
通勤のぼくは、がらがらの4両編成の一番前の運転席の後ろに陣取って、眺めている。これから立ち上がるニュータウン向けのダイアだからか、乗客はまばら。申し訳ないなあ。
遠くに見える(はず)のが、岡本太郎の太陽の塔の後姿。まもなく車窓左側に例のエキスポランドがみえてくる。

ゆくりなくも、ニューヨークのセントラルパークを思い浮かべた。町のど真ん中にあり、だれでもはいれる。
入場料はとらない。公園経営のインサイドストーリーを、NHK衛星が放送していたのを思い出した。
あそこは、経費の大半を民営に委託しているそうだ。ボランティアも参加している。
万博公園は、柵で囲まれている。外部の侵入を許さない。運営もよそよそしく、通りいっぺんのお役所仕事のような気がする。どこかの天下りさきだろうか。
セントラルパークのウエブサイトを開いてみて、仰天した。すばらしい活動振りだ。

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市民のための開かれた公園をめざしているのだろう。一時荒廃して犯罪の巣になった時期もあった。いまや、ニューヨークマラソンをはじめ、活気あふれる行事が年中展開されている。
80ドル寄付すると、その人の思いのメッセージを添えたベンチを、公園内に置くことができるらしい。
愉快なのは、ネットのなかに、セントラルパークのイヌ好きの人のためのもろもろ情報を特集したサイトがある。
自慢の愛犬の写真コンクールがある。
もしあなたのイヌが迷子にあっても、仲間のネットワークでさがしてあげますよとのことだ

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でも、ここは、日本。大阪だ。
市民の公園?どこの市?という風に、縄張りの問題になるだろう。大阪市は、知らん顔をするだろう。広報が、なにかの表紙に「太陽の塔」をのせることをいやがったときいた。
公園の中の施設は、入場者が集まらず設備が老朽化したということで、美術館もつぎつぎに大阪市内に引越ししている。
規模的には、セントラルパークに匹敵する、この得がたい関西のみどりの宝は、どうなるのだろうか。

投稿者 nansai : 16:38