縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2007年6月13日

六月十三日(水)

フランス外人部隊とコムソンと

衛星放送のニュースでみたのだが、アフリカの部族間の内戦の鎮圧作戦に、フランスの外人部隊が送り込まれていた。無政府状態の現地の軍隊は、無力であてにならないからだ。画面に映っていた外人部隊は、みな屈強な黒人のプロ兵士で、命令は、フランス語だ。

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外人部隊の存在を、ゲーリー・クーパー主演の「モロッコ」で知った。ちっとも似ていないが、往年の大スター、ゲーリー・クーパーのつもりだ。戦後の上映だったが、外国人を雇って兵隊にするという発想が、当時ぼくには意外に思えた。
いまは、グローバルな市場原理がまかり通る世紀である。忠君愛国のお題目を掲げ、一銭五厘の葉書で呼び出して、男一人ずつ徴兵できた時代は、先進国では終わりを告げた。

21世紀的「傭兵の時代」がきた。
アメリカもベトナム反戦運動にこりて、徴兵制をやめた。
アメリカが仕切っているイラク戦争でも、現地には、戦争請負会社が二万人のベテラン兵士を雇って駐留させている。正規軍では、間に合うはずがない。莫大な人件費が軍費として支出されている。

従軍も、勲章や名誉よりは、契約、カネ(学資、資格の名目をとるばあいも)しだいになるかも。
採算にあうとみた企業が戦争請負をビジネスモデルに組み入れられるかどうかできまる。コムソンや警備会社とおなじだ。当然のことながら、国是にそう補助金も、目当てだ。
このばあい、愛国心も関係ない。何事も契約なのは、大リーグ選手と同じ。高給を受け取る代償として、戦死しても、国に殉じた英雄として、国立アーリントン墓地に葬られることはない。

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これからは、ますます、軍人の調達がままならぬ時代がくる。フランスの外人部隊の募集も各国でおこなわれている。制服も、凛凛しくかっこよくしなければ。

「ぼくは ぐんじん だいすきよ
 いまに おおきくなったなら」
幼児のころから、歌って育ったのが、ぼくの時代。
これから教育に力を入れ、愛国心を涵養しても、兵隊さんになってくれる子は、すくなくなるだろう。

国の建前としても、人手不足でない袖は振れないから、ややこしい、むずかしい、しんどい仕事は、グローバルに外注せざるを得ない。いま、過疎の地方からひっぱりだこで、ほめられているのが、民営刑務所だ。
民営化は、すなわち、専門の技術を持つ人材の怒涛のごとき、輸入ということになる。

三十年後はどうなるだろう。
自衛隊は、プロ野球や大相撲のように、体力の優れた、アジア各国からの兵士が参加するようになろう。
大阪夏の陣、冬の陣で、大阪城に入場したのは、浪人の大群だった。山田長政のように、海外で雇われた例もある。当時の東インド会社の傭兵の半数は日本人だったそうだ。鎖国前の日本人は、グローバルだったんだなあ。

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高齢化の日本。これから、課題は、介護だ。コムソンをこてんぱんに指弾しても、そのまんま、大きな課題は残る。だれも引き受けたがらないババは、残ったのだ。
誰にもできる仕事ではない。ナイチンゲールの博愛精神だけでは、続かないらしい。かなり強靭な体力と専門技術訓練が必要だ。景気が上向き始めた日本では、介護に振り向けられる人材の求人難は、必至。絶望的といってよい。
介護のための外人部隊をどう編成するか。
イギリスなど先進国へは、フィリピン、シンガポールが、国単位で、訓練された介護要員を「輸出」している。輸出産業なのだ。
だが、この国では、日本語と文化の厚い壁が、グローバルな人材の輸入を阻む。どうしたものか。





投稿者 nansai : 2007年6月13日 14:49

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