縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2007年9月 3日

九月三日(月)

俳句がうまくなる発想法

各新聞の俳壇を総なめにしていた知人が、このほど、「俳句がうまくなる100の発想法」ひらの こぼ著 草思社を出した。好著である。
凡百の入門書とは違う。歳時記の季題にはふれず、「発想の型」からはいる逆転の構成がユニークだ。ぼくのような門外漢にも、ひらめいて秀句がすぐつくれそうな気にさせてくれるハウツー書だ。

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100の「型」の選びかたも、あまのじゃくというか、「型」破りで、わかりやすい。既成俳壇の諸先生の意表をついているのでは。

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たとえば、最初にあげられている「型1」は、
「裏返してみる」「見えない裏を読む」である。
ふうん、裏が句になる、とは、気がつかなかった。視点をかえることだな。例句として、

羽子板や裏絵さびしき夜の梅 永井荷風
餅焼いて新しき年裏返す   原 裕

なるほど、と感心したぼくも、早速、裏返しを試みて、

秋暑し裏返りたるネコの腹
あくびして猫身をよじる残暑かな

うちの駄ネコは、食事のあと、うーんと伸びをしながら、気持ちよさそうに、ごろんとひっくりかえって四つ足をつっぱる。おなかをなでなでしてくれ、とさいそくするのだ。

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もっとも、この絵のモデルは、描き映えのする美人ねこで、実在するわが家のねこは、そんじょそこらにいる、ただのキジねこである。

ちなみに、発想法100番目の「型」は、こうだ。
「なにもいわない」
これは、よくはわからんが、奥が深そうだ。
例句として、

日盛りの一つ打ちたる時計かな 久保田万太郎
遅き日のつもりて遠き昔かな  与謝蕪村

うーん、この型は、とうてい歯がたちそうもない。

投稿者 nansai : 2007年9月 3日 11:46