縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2007年9月21日

九月十六日(日)

お大事に。安倍さん

総裁のウツワというよりは、参議院選挙用のポスターとして起用された安倍さんだが、あまりにまじめできちょうめんで、

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そんな人がウツになりやすいから、はたせるかな、いじめられて、もともとない答えをさがしているうちに、ココロがこわれて、痛ましい退場振りだ。
後のことはよく考えずに目前の選挙に勝ちたい一心で、党から抜擢された。毛並みは血統書つきだったが、経済にも改革にも、あまり詳しくはなかったのではないか?
世論調査で「つぎの首相にふさわしい人」を尋ねたら一番多かったという。有権者は(とくにおばさん)見た目重視、ときめこんだのは、自民党の長老たちか、国民をちょっとなめすぎたかなあ。世論調査の人気も民意も、あてにならないのに。
そこそこにハンサムで背も高いし、外国の元首と並んでも、見た目にひけをとらない。選挙民の皆さんに、好感度バツグン。とくに、女性向けに、ルックスでは非の打ち所のないスターだったのだが。
「統治能力のない人」が首相にいたことの怖さをわれわれは見てしまった、と飯尾淳教授はいう。党は安倍政権をもっと早くおわらせるべきだった。自民党には連帯責任がある、とも。
首相候補には、宇宙飛行士よりもややこしい条件下に耐えられる精神力テストが必要なのだろう。

問題の根は、もっと深い。
今の日本、何がもっとも深刻かといえば、国家指導者の「人材飢饉」(田勢康弘)といわれる。いつから、そうなったのか。

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首相というリーダーの「器」を育て上げ選別する能力を、いつの間にか、政党が失ってしまった。これはゆゆしいことだ。
日本の首相は、世界の列強に伍し、一億三千万人の乗員乗客を乗せて航行する超巨大宇宙船の機長なのだ。巡航時の操縦能力はもちろん、いざという場合の統治能力、危機管理能力は、必須である。安倍さんには荷が重すぎたか。
航空機の機長にはマニュアルにもとづいて、図上、実地と、徹底的研修がおこなわれると聞く。宇宙船の機長はさらに長期の訓練が必要なのだろう。運転がはるかに容易なはずのJR宝塚線の惨事は、どのような環境で、だれがひきおこしたか。

将のウツワといわれるが、名将のもとには、孔明や秋山真之のような名参謀がいてチームを形成していた。太平洋戦争はエリート参謀たちの責任のなさが追及されている。
グローバルに同時多面展開する政治の時代、将も参謀も、
人材がたりなければ、システムで解決せねばならぬ。
国会でまどろっこしく上げ足を取り合っている時代ではない。「ご議論」という決定方法は、はたして有効なのか。
もたもた空転は、国家の取り返しのつかない機会損失だ。
スーパーコンピューターを導入して、海外の過去の事例より推定される対策群のオプションを検索できるようにはできないものか。あかんやろか。

エリート官僚は頼りにしたいが、縦割りの省益に左右され、視野せまく世界の事情に暗い。かつての不良債権のしまつの危機的もたもたぶりを見ると、まことに不安だ。
太平洋戦争も、陸大、海大卒の当時の超エリート参謀たちの独断による作戦で、あの悲惨な結果をまねいた。

秀才でも経験豊富でも大人物でもない安倍さんを責めても仕方がない。有権者をなめてかかり、目先の選挙に勝つ、それだけのために、かれを総裁首相に選ばざるを得なかった仕組みの危うさが問題だ。こまったことだ。

投稿者 nansai : 2007年9月21日 20:00