縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2008年3月 3日

文明開化は大阪からやで

三月になった。どの雑誌も、さくら特集で、こぼれんばかりのピンク一色だ。
大阪が、桜色に輝いて一番元気のよかった頃。それは、明治初年、文明開化のさきがけとなるプロジェクトXが、大阪天満橋川崎でスタートしたときだった。天満橋からその活況がよくみえただろう。

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遺された錦絵をみると、大阪の文明改革は、なぜかさくら風景と合うらしく、希望に燃え新しく国が産業を興す当時の華々しい光景が想像できる。
勢いが違うなあ。川には、外輪船が黒煙をはいて、対岸の最新工場群の煙突もいっせいに煙をはいている。いまは人ごみの通り抜けのさくらしか知られていない。
あれから幾星霜、天下の台所から、大阪は、軍都に、煙の都に変貌して敗戦を迎えた。

当時の錦絵は、満開のさくらと文明開化、大阪の一瞬光芒を放ち輝いた頃の高揚した気分を、伝えてくれる。中之島図書館蔵。公開されているからデジタルで大きく引き伸ばしてみることができる。

維新当初は首都を大阪に置く計画がほぼ内定していたのだそうな。
明治4年、交通の便利なこの地に、日本初の造幣工場「大阪造幣寮」という巨大西洋工場が開業した。
総レンガづくりの工場群、高さ30メートルの大煙突が、近代日本を築く科学技術を誇った。お雇い外人たちの協力で、まばゆいばかりの65基のガス灯もこうこうとともされ、あかるさに大阪の人たちが仰天した。それまでろうそくと行灯の光しか知らなかったのだ。一目見ようと連夜市民が押しかけたという。


投稿者 nansai : 2008年3月 3日 14:19