縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2008年3月11日

お母さんと自転車三人乗り

町の中を自転車が、わがもの顔に走り回っている。
先日も、横断歩道の信号がやっと青に変って歩き始めたら、自転車が真横から風のように飛び出して、音もなくぼくの鼻先を走り去る。スピードが出ているから、衝突したら、ただではすむまい。
ケータイをみながら歩道をぶっ飛ばす不心得ものも見かける。もともと禁止行為の3人がけは、もってのほかだ。

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目に余る自転車の無法ぶりに、警視庁が30年ぶりで交通規則を見直すことにした。

ところが、幼児二人を前後に乗せる3人乗りの禁止は、若い母親たちが反発した。
「3人乗りができないと、15分早く家を出なくちゃいけない。朝の忙しさがわかっていない。」

「女性の社会進出を無視した政策」というのだ。「少子化対策に矛盾する」とも。こんな場合マスコミもすぐ同調する。

「保育園も少なくて、バスもないのに、3人乗りの禁止は、子育て支援に逆行している。」

なるほど。ごもっともである。お母さんもたいへんなのだ。

しかし、まあ、そうではあるが、新しい見直しの動きは、いつもこうして、全体の一部の声で、ぐらつく。ひどいときは腰がくだける。政治家がわりこんでくるからだ。
大阪のドーンセンターの見直しも、そうだ。
年金問題が解消したかもしれない総番号制も一部の反対でさたやみとなった。
地方の道路、郵便配達も同じようなレトリックで族議員がまくしたてる。

基本の趣旨と全体の利害関係のなかで、ワリを食うグループが必ず現れるのはしかたがない。総論と部分利益をどうバランスさせるかが行政なのだが。
今回は、警視庁が折れ、自転車の「一人乗りのときに比べ著しく不安定にならない構造」が技術上可能であれば、例外的に走行を認めようということになったとか。
こんな場合、せっかく開発されてもコストが高く。購買客が少ない、やむなく、というシナリオが見えてくる。
わすれてはいけないのは、もともと改正の趣旨は、安全である。お金では買えない命の問題だ。
2006年に自転車同乗中に怪我をしたこどもは2150人。70%が交通違反だった。
6歳未満のこどものけがは、40%が頭部だ。頭の重い幼児は転倒すると、脳に損傷を受けやすい。危険防止には、幼児のヘルメットの着用が徹底されなければ。
しかし、この国では、自動車のチャイルドシートの着用も すすんでいない。
自転車の違反行為は、昨年11月末で百七十五万件、前年同月比34%増だそうな。増える一方だ。

「三人乗りを普及させて、少子社会から抜け出そう」というのは、うーん、ちょっと考えにくいのだが。
テレビでみていたら、デンマークのコペンハーゲン市は、自転車天国らしい。市内に自転車専用道路がつくられていた。

投稿者 nansai : 2008年3月11日 10:52