縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2008年3月18日

 「この人チカンです。」といわれたら!

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昨夜の朝日新聞大阪版夕刊によれば、満員電車で女性に告発されたら最後だという。ほんとうなら、おそろしい。身に覚えがなくとも、「痴漢冤罪」を防ぐのは大変だそうだ。「絶対大丈夫な方法は、ない」とつれない。
「あなたは痴漢冤罪から身を守っていますか」
通勤中の男性たちに駅頭で、同紙がアンケートしている。
情けないことに「混雑時は女性に近づかないこと」という笑えぬ自衛策もあった。触らぬ神にたたりなし。なるほど、ごもっともだが、なんだかへんだよねえ。

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そんなわけで、満員電車で男が身を守るには、つり皮を両手で持つか、グリコ式お手上げが一番、のようだ。両手が腰から下だと真っ先に疑われるから。

幸運にも無実が立証された人の例をきくとぞっとする。
駅長室で身の潔白を証明しようとしたが、いきなり警官が来て、有無を言わせず、手錠、腰縄で連行されたという。留置所にいれられ、おぼえがないと、否認を続けると、48時間拘留されることも。これは、まいるよなあ。
「やっていないと訴えても警察はきいてくれなかった」と被疑者は訴える。
推定有罪がまかりとおるのだ。被害者の言い分が最優先されるから、加害者と目されてしまうと本人の自己弁護は困難な状況になる。無罪を証明する証拠を100%そろえねばならない。専門語?で「悪魔の証明」というのだそうな。

なんや。たかが「迷惑条例違反」ではないかといいたくなる。警察も裁判所も、なんだかヒステリックで異常ではないか。この殺伐な社会で、「迷惑」がそれほどの重大犯罪かなあ。もちろん困ったことではあるが。
一方的告発で駅長室から連れてこられた被疑者を居丈高にいためつける調べが、いじめのようでバランスを欠いているとしか思えない。
忙しいはずの警察も、もっとほかに未解決の重要事案があるだろうに。と、人畜無害の「後期高齢者」に分類されたぼくが、口をとんがらせるのもおかしなはなしだ。

疑われると、定年間際のサラリーマンが、あわや一生を棒に振る場面に追い詰められる。おかしい。冤罪ならなおのことだ。このごろでは、自称、被害者、目撃者がぐるになって、気の弱そうな男性に眼をつけ、示談金を狙う新手もあるそうだ。
映画「それでもボクはやっていない」(周防正行監督)が日本の裁判制度をえぐって、評判だったらしいが、どれだけ世論を喚起しただろうか。

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いったいどうなっているのか。ネットで調べたら、あるわあるわ、もうすでに、いろんな角度から、痴漢冤罪の回避法が寄せられていた。

こんな笑えぬへんな話、海外ではどう扱われているのだろうか。もしかして、痴漢は、日本人だけのユニークな珍現象では?と思い、グーグルにあたってみた。
CHIKAN。日本語の「痴漢」にずばり当てはまる英語は見当たらぬらしく、海外のメディアは、むしろ痴漢対策におどろいているようだ。
「女性専用車両」は、日本で発明された奇想天外なアイデアだ。導入時には、ロンドンタイムズ電子版ABCニュースなどに、「オールウーマントレーン」と紹介された。導入の背景は、SUKEBEが増えたからだとある。わが国の通勤電車は、清潔で正確なことで、世界から賞賛を浴びているのに。

ウイキペディア(英文)には、標識「ちかんに注意」(千葉西警察署管内防犯協会)と女性専用乗車口のプラットホーム標識(大阪)がめずらしいとみえてでっかくのっていた。

通勤時のぎゅぎゅう詰めの満員電車は、先進国日本独特の奇観であろう。
でも、ロンドンの地下鉄のように爆弾騒ぎにおびえなくてもすむし、こりないチカンたちの「迷惑」行為は困ったものだが、つくづく平和はありがたいと思いませんか。

投稿者 nansai : 2008年3月18日 14:34