縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2008年6月23日

野球も組織も、コミュニケーションしだいか

春先の評論家たちの予想に反して、阪神が、やたら、しぶとく強い。
「いつの間に強くなったのだ?」
と、楽天の野村監督がおどろくほど、苦手の交流戦でもがんばった。いつの間にか貯金もたまって20となった。

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身をもって範をたれて、チームの若い選手をひっぱっているのは、40歳前後。球界では、後期高齢者に当たる選手の面々だ。それも、お説教ではなく、目の前の修羅場での実績で示すのだから、ぐうの音もでない。練習やトレーニングに取り組む高齢選手のうしろ姿がそのまま、若手にとって生きたお手本なのだ。

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大リーグ中継が、NHKのBSを独占しているが、だれがみているのだろう。
イチローとジョージマと、日本を代表した超一流選手を引き抜いたシアトル「マリナーズ」が不振にあえいでいる。
地元紙の電子版によれば、ゼネラルマネジャも監督もクビになった。どうしても、勝てないらしい。

ロッカールームの空気が、不穏につつまれている。
キューバ、ベネズエラなど中南米、カナダ、日本、韓国、台湾など、10カ国からの選手同士が、めいめい、ばらばらで、コミュニケーションがとれない。クラブハウスでも、アメリカ人同士がグループにわかれたり、日本人のイチローやジョージマなどは、ストレッチしたり雑誌に眼を通したり、それぞれが個人の殻に閉じこもる。

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なによりも、ことばと文化の壁が大きいという。
思いちがいもそねみもあるらしい。選手に声をかけて心服させられるリーダーがいない。チームとしての、現在の阪神とは、そこが違う。イチローと、兄貴金本のチーム内の人望の差があるのだ。

ジョージマ捕手への風あたりは強いようだ。投手たちとの間の溝が深い。ゲームプラン、野球観が違うらしい、
他を寄せ付けない孤高のスター選手イチローが出塁しようがしまいが、そのうちに、チームはどんどん負けがこむ。
あっという間に最下位だ。首脳陣のいれかえとなった。

やはり異文化コミュニケーションは、たやすくない。
ツギャザネス、つまり一体感、というか方向性、志がまとめられない。チーム一体となって勝てないという問題の根っこに、マリナーズ球団経営の一足先に進んだグローバル化があった。

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監督は、世界のすみずみから集まった個性の強い選手たちのばらばらの組織をまとめる。かれの人間的掌握力は、偉大だ。国籍にはカンケイなく。

外人選手をとるのがへたと、グローバル化には後手を踏んでいる阪神には、こんな心配はない。喜んでいいのか。
日本の企業内でも、コミュニケーションが途絶する時代だし、正社員と派遣社員の立場ごとに心理的な壁が築かれて、敵味方に別れ、バーチャルなゲットーのなかにみずからを封じ込め、立て籠もるのだ。匿名のうめき声が2チャンネルへの書き込みなのか。


投稿者 nansai : 17:29

2008年6月12日

もっと米を食べてほしい、と国民にいいたいのか、政府のこの広告は?ならば、もっとまじめにやれといいたい。

えらい時代がきた。
日本は、カネがあるからといって、食料を、よその国から買うことができなくなるという。
まず自国が大事だから、売ってくれなくなるのだ。
小麦も、トウモロコシも。肥料も。旱魃も洪水も原因らしい。米国の農家は、ビジネスマンだから、トウモロコシはエタノール工場に買ってもらうほうがとく(国から補助金が出るから)と計算している。

そこで、もっとご飯を食べよう、と政府も国民に訴えている。
だが、日経にのったこの広告は 、ぼくらの税金でつくられたとすれば、無駄づかいとしかいいようがない。
まず、意図がわからん。
英語とおぼしきローマ字でだれになにを訴えようとしているのか。
ごろあわせよりも、ちゃんとまじめに懸命に、いま米食の大切なことを述べるべきだろう。
これからの日本は、どの家も、朝ごはんを見なおさなければ、農業が維持できなくなる。政府はこういいたいのだろう。
「朝は、ごはんにしよう」というなら、日本人に素直に共感できるような訴えかたはいくらでもあろう。
黄色い鉢の盛られている丸い粒粒は、お米には見えない。あまり、きもちがよくない。

日経にのったこの広告掲載料は、驚くほどの金額だろう。
だれに向かって、なにをわかってほしいのか、いったい、どうしてほしいのか。いいたいことが、これではわからん。ぼくらの払った税金で、効果のあがらぬ無駄を発生してほしくない。
ハブ ア ライス デー?
そのカネで、もっと有用なことが、ほかになにができるのかを、農林水産省はかんがえねばならない。

1945年、敗戦でアメリカの農業マーケティング政策で、パン食の伝統のない日本の学校給食は、米食でなくパンにされた。日本は、飢餓線上をさまよっていたが、当時のオレゴン州などの小麦農家は、戦争が終わり、余剰穀物の捌きに苦慮していた。そこでアメリカは国を挙げて輸出戦略を、日本の占領政策とすりあわせたのだ。マーケティング史上最高の成功事例だった。
日本の米食の衰退はそこから始った。

投稿者 nansai : 13:23

2008年6月 9日

ゴルフボールはオレンジ色がよろしいようで。

ぼくの数すくない楽しみの一つが、気の置けないクラブメンバー諸氏との、たまのゴルフである。コースまでは、電車を乗り継いで目と鼻の距離だから、メンバーがたりないとき声がかかると、「すわ鎌倉」とはせ参じることにしている 。

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スコアはさておいて、ぼくは原色のオレンジ色のボールを使用する。
とにかく目立つ。前後左右、あらぬ方向に飛んでいっても、あわてずさわがず、遠くからでも見つけやすい。

毒々しいカラーボールの趣味がよくないのは承知だが、あわてもののぼくは誤球がしんぱいなのである。
ほかの人のボールを間違えて打つと、申し訳ない。バツがわるいだけでなく二打の罰が科せられ、自業自得とはいえ、ぎゃふんとなる。

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「オーマイゴッド!」
じゃぽん。
池越えのホールで、ぼくのボールは、きまって入水する。
がっかりしながら池の端からのぞきこむと、水中にはほかにも無念のボールたちが死屍累々、あわれ「水漬くかばね」だ。
そのなかで、ぼくのオレンジ色のマイボールは、「ここだ、ここだ」とアピールするのだ。よおし、待ってろよ、とお玉がむすびつけてある竹ざおで、救い上げることができる。
そういえば、海難救助のボートも合羽も、目立つオレンジ色だ。

日がな一日、右に左にジグザグにぶれて転がるオレンジボールを追いかける。好天とよきパートナーに恵まれつつも、もみじマークのゴルフは忙しいのだ。

投稿者 nansai : 14:45

2008年6月 2日

道路族、どげんかせんならん。 

半世紀も前に、田中角栄が「コンピュータつきブルドーザー」で日本列島を蹂躙した結果、取り返しのつかない列島バブルを招来した。その手法DNAは、自民党「道路族」にしっかり受け継がれている。
「道路財源、多難な一般化」閣議決定骨抜きに「道路族の影」などと新聞に書かれると、ああまたか、何とか排除できないのかと、いやな気がしてくる。

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マウスでこちょこちょ描いたが、この絵には、力がはいった。

そもそも首相が道路族に擁立されたのだから、なんといわれても、自民党は、「道路党」以外のなにものでもない。改革は口先だけ。積み重なる国の借金はどうでもいいのだ。道路族は、まず、「地方を切り捨てるのか」とすごみ、地方票を人質に、不毛な公共事業費を地方へばら撒き、目先の一票を回収する。
道路用の土地の手当てにも膨大な買い上げ予算がうごく。農地山林を買い叩くのではなく、気前よく税金で、買い上げるのだ。トーちゃん、日の丸だ。

ちょっと古いが、朝日新聞「経済気象台」の「四知」のコラムが歯切れよく、痛烈である。
「ちょうど雪山の頂上から転がり落ちた小石が急斜面の積雪を結集して、ふもとの村落を崩壊させるように、田中角栄が半世紀前に始めた道路建設のための特別目的税が、利権を求める政官業を寄せ集め、共同体の崩壊、地方の荒廃、格差の拡大、果てはこの国の衰亡を招いた。」
道路建設の特別目的税が、わが国の衰亡を招いたとまでいいきっている。そのとおりだ。
「この雪崩の慣性の強さは、三十年以上に及ぶガソリンの暫定税率をさらに延長しようとする大合唱にあらわれている。地方の首長のほとんどが継続を求めていることでも、利権の根深さに驚かされる。」
人気者の東国丸知事までもがである。

政治とは、しょせん、選挙の際の票を集めるために掲げた「大義名分」の裏側に潜む利権の分け合いなのだろう。道路、防衛、厚生、文教、と、なんとか「族」の前に「利権」といれてみると、なっとくできる。

声高に叫ぶ大義も正義も、その裏側のもっともな事情があって、つまるところ、利権の分け方の落とし場所をさぐることになる。

もっともらしい「大義」の裏になにがあるか。
イラク戦争も、中東に民主主義を、というブッシュのお題目を信じる人はいない。アメリカのねらいは、のどから手の出る石油だ。イラクは、世界三位の石油産出国なのだ。
「大義」なるものは、らっきょの皮をむくように、具体的に説明にかかると、見えてくるものがある。
悪名高い「後期高齢者医療」も、核心は、国として、さらにふえ続ける巨額な「終末医療費」をなんとか抑えたい、につきる。冷厳な事実を国民につきつけねばならない。
だが、ここは、医者として、見逃せない収益源でもあるという。いきおい奥歯にもののはさまったいいかたになる。
近年、専門医のあいだでも「濃厚治療」の弊害が指摘されている。国には、話をそらざず、説明する責任がある。

投稿者 nansai : 17:15