縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2009年3月 6日

二月二十八日 抱擁を無料でいかが?

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ある晩テレビのドキュメンタリをみていたら、冒頭奇妙なシーンがでてきた。

一人の気の弱そうな青年が、街頭で、看板を胸に抱いて立っている。
手書きの看板には、英語で「FREE HUGS」ハグします。無料で。と書いてある。
道行く人たちは、だれひとり気づかずに、青年の前を通り過ぎてゆく。無表情な青年が、なぜ、その場所にぽつんと立っているのか。看板に書いてある英語の意味がわからないからだ。
看板のHUGとは、抱擁だ。字引には、HUGとは(通例愛情をこめて両腕で抱きしめる)とある。
無料でハグしてあげるよ。
ようやく、気がついて一人の外人の青年が笑いかけてハグしてきた。青年は、こわばった無表情で、笑い返しもせず、ハグし終わると、またもとの姿勢に戻った。他人事ながら、あ、これじゃあ、コミュニケーションは取れないなと思った。
これは、NHKの「一期一会」という番組の奇妙な出だしのシーンだ。アナウンサーの解説では、FREEHUGは、ネットでは、すでに世界的に有名なキャンペーンだという。

青年は十九歳の専門学校生。いじめにあって、ことばによるコミュニケーションに絶望した。週に一度、思い切って道行く人と抱擁を交わすフリーハグをしているという。

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へえ、こんなことが、若い人の間で、はやっているのか?ぼくは、知らなかったので、ネットにあたってみた。
これは、国際親切運動とでも言うキャンペーンで、80カ国で展開されているらしい。マンという人が、シドニーで始めた。テーマソングも有名らしい。「知らない人にハグしてあげよう」というしごく単純な原則だ。

「フリーハグ」すれば、こうなるよ。親切にもネットに120ページものガイドブック電子(PDF)版が用意されていて、こんな風に書いてある。

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なにかでっかいことの片棒をかつぎませんか?
世界を変えるには、あなたの両腕だけを、おおきくひろげるだけでよいのです。

だれかさんに、ちょっとだけかがやく日をつくってあげる。知らない人も、結局は、そんなに悪い人じゃないよとみんなに教えてあげる。
みんなをひとつにし、幸せなときを 分かち合う。
あなたが悲しくてさびしいとき、フリーハグすれば、ほかのひとに話しかけ、笑いあうことができる、だれかが、あなたに笑いかけてくれる、誰かがあなたに腕をまわして大丈夫だよといってくれる。

フリーハグが、いちばんよくわかるのは、ユーチューブの動画だ。世界中の国々によって、よびかけに応ずる人の態度が異なるのがおもしろい。一期一会、さまざまなハグ場面をみると、ほほえましく、思わず笑えてくる。
なかでも、日本人が世界で一番ぎこちないのは仕方がない。なにしろお辞儀の国だからなあ。

このキャンペーンを支持したい人は、寄付してほしいとのことだ。

特製FREEHUGSのTシャツを買ってもらえれば、収益でこのサイトの運用費がまかなえる。電子ガイドブックもパソコン上で読むのは住所氏名を名乗れば無料だが、プリントアウトしたければ寄付してほしいと事務局。
ぜんぜん知らない人に呼びかけて、抱擁し合う。ぼくにはむりだが、こんなことで世界が仲良くなれるのなら、がんばってほしい。

投稿者 nansai : 2009年3月 6日 15:36