縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2009年4月15日

四月十三日月曜日 満員御礼。八軒家寄席

土曜日夕方、先客万来を祈って招き猫君に羽織を着せて高座にあげたポスターがすごい人気で(残念ながらまっかなうそです)狭い店内が大入り満席となった。

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北大江公園前のイタ飯レストランが、「八軒家寄席」に変身し、高座を急ごしらえでしつらえた。
ぐらぐらするので大丈夫かいなと心配だったが、えらいもんやねえ、たちまちお囃子のパーカッションで、狭い店内が、繁昌亭におとらず、うきうきした気分につつまれた。
やあ、よかったでえ。目の前で聞く真打の落語は迫力あるわと大評判。林家染二師匠の汗拭きながらの大熱演で、本命の「三十石夢の通い路」に「寝床」の二本立てを満喫できた。

染二師匠は、連日天満繁昌亭でトリをつとめる重鎮といってもよいプロ中のプロだが、50名入って満員の、こんな狭い席でも、手を抜かない。りっぱな賞をぎょうさんとっておいでやが、ここのお客が大事といわはるんや。たいしたものやねえ。いっぺんで、さして落語通でないぼくは、サインももらって、フアンになってしまった。

サイドディディシュで演じてもらった大サービスの「寝床」もこれまたよかった。寝床をとられたと、べそかく定吉どんの心境もよくわかるが、下手な浄瑠璃をきかせたいのに、みなに逃げられてしまう大家さんの気持ちに同情の念禁じ得なかった。

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大家さんの稽古を積んだ、せっかくの自慢の芸を、酒と料理つきでも、なんだかだ理由をつけて、誰も聞いてやろうとしない。でも、気の毒な大家さんは、腹をたてては、ときどきおだてられ、途中で結局みな寝てしまうのだが、ああ、旦那芸というやつは、番頭はんの見え透いたお世辞に弱いのが、あさましい。
そうや、この南斎の落書き絵巻と同じやないか。笑えんわ。他人事ではないわと、わが身につまされた。

投稿者 nansai : 2009年4月15日 17:22