縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2009年7月 8日

七月八日 「皿屋敷」満員御礼

林家染二師匠をむかえての八軒家寄席は、期待どおりの盛況だった。梅雨の晴れ間の土曜日晩とあって、町内の女性の浴衣姿が、イタリアンレストランを寄席らしい風景に変貌。50席が満席となった。

「皿屋敷」が大熱演だった。
お菊の幽霊を演ずるのが、背の高い師匠だ。
ぐらぐらする急ごしらえの高座に仁王立ちになる幽霊の迫力に拍手喝采。でもはらはらしたねえ。
染二師匠の解説によると、お菊のような幽霊になるには条件がある。ひとつ、美人であること。

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次に、やせていること。太っていては幽霊になれない。その点、今夜のお客さんは、みなさん資格があると。大リップサービスだ。

古来、お菊の幽霊の名作は、北斎、芳年と数多い。ぼく南斉は、落語のエンターテイナーとしてのお菊の幽霊を描いてみた。幽霊に見えない?そうだろう。

演目は、浄瑠璃、歌舞伎でおなじみだ。井戸の中からお菊の亡霊が「お皿が一枚……二枚……」「九枚……一枚足りない」とうらめしげにつぶやく。落語は、町内の若者たちが皿屋敷にお菊の幽霊見物にでかけるはなしだ。幽霊が九枚数えるのを聞くと狂い死にするといわれ、その前に逃げ出さねばならん。でもお菊があまりにいい女なので、怖いもの見たさに若者たちは懲りずにまた出かける。

浄瑠璃、歌舞伎、映画、お化け屋敷、落語と、同じ噺を長い年月を経て、怖がらせたり笑わせたり工夫をくわえ、時代に味付けしながら伝えてゆくのは、だいじなことだ。

投稿者 nansai : 2009年7月 8日 13:05