縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2010年3月11日

三月十一日 オオカミは必ず来るのに。

あの日午後一時三十分、息を止めて、テレビを凝視していた。番組は、大津波警報一色だ。チリ大地震の余波で押し寄せる到達時刻がせまってくる。テレビは、くりかえし、沿岸地域に、避難を呼びかける。

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急に水平線が盛り上がり、3メートルの津波が三陸海岸に押し寄せるかもしれない。1960年の6メートルの津波被害の再来が心配された。
だが、何も起こらなかった。

あとからふりかえれば、気象庁が発表した到達予報時刻は、あまりに正確すぎた。だが、専門家の日食の秒読みの確かさを信じるしろうとのぼくは、そのときは、まったく疑問を持たなかった。

家人は、「そんなのくるはずがない。台風情報もいつもオーバーじゃないの。」と、はなから気象庁を信じようとしなかった。

今日の夕刊によれば、消防庁のまとめで、警告された地域でも、実際に避難した人は、全国平均でたった3、8%にとどまったそうな。専門家は、そんな勝手な予断ににがりきっているらしい。

ことほどさように、予知、警告をくりかえし徹底することは、オオカミ少年のようにまたか、とみられて、なかなかむずかしい。インフルエンザでも、地震でも、警告されても、みな自分の都合のいいように判断しがちなものだ。

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津波も地震もこわいが、予知可能な災害は、借金大国日本経済の崩壊である。
政府債務の対GDP比は、日本はジンバブエに次いで世界2位だそうだ。いまのままだ、とまちがいなくギリシャになるという警報が点滅している。
しかも、民主党内閣は、どうやら経済オンチで、官僚を敵に回し、ブレーンもシンクタンクも支えていないようだ。

テレビも新聞も、識者、専門家も、もう時間がない。あげて、増税は不可避としている。納税者番号導入も急がねばならない。

「日本暴落 恐慌の日」、と、朝日新聞三月七日日曜版は、一面で、SF調でだが、20xx年、財政破綻を予告している。このまま、借金頼みなら、10年で破綻とも。
数ヶ月前から、国債の引き受け先を決める入札が不調におわるようになり、海外の投資家画『日本は投資先として危険』とのレポートが出回っていたというシナリオの想定だ。
オオカミは必ず来る。と、日経で伊藤元重教授が警告する。債務不履行、国債の利回り高騰、高いインフレ率への誘導という事態に陥るのだろうかと。
オオカミ少年のようにみなされた学者の財政危機説は、10年以上になる。いま、主婦向けテレビの番組でも、このままだと、もう十年持たない、と専門家が口をそろえる。

しかし、いま、国を救う増税を持ち出すと、選挙に勝てないと信じられている。危機に眼をそむけて、眼先の選挙に勝つことしか念頭にない小沢政権。かれらにはレーダーがない。長期の見通しをもたず、災厄を想定することから逃げている。

投稿者 nansai : 2010年3月11日 18:19