縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2010年7月23日

7月二十三日 
梅雨があけたら、日本はどうなってゆくのだろう?

はげしくしつこかった豪雨が終わると、うそのように梅雨があけた。
気がつくと、顔なじみの野良猫の姿がみえない。
近所のみかん畑で、夕方になると、傍を通るひとに、小さな声で鳴いていたやつだ。かわいそうに豪雨に流されたのか。

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鼻の横にあざがあり、野良のくせに、ふさふさ長い毛の持ち主だった。暗くなってから帰り道に、たまにコンビニで買った98円のさば缶をあけてやると、こけつまろびつ金網の向こうから走り出てきたのだが。
諸行無常である。にゃむあみだぶつ。

さて、この数ヶ月、世の中いろいろあったが、とりあえず、一段落の感じである。過ぎてしまえば、それも、なぜか遠い日々のように思われる。

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ワールドサッカー、口蹄疫、参議院選挙、龍馬伝ブーム。国じゅうをマスコミがヒステリックにひっかきまわし、どうでもよいことか、何が譲れぬ大事なことかわからぬまま、評価も二転三転、ようやく落ち着いて静かになった。
集中豪雨のような情報洪水を、川岸で、呆然と、立ち尽くして眺めていた気がする。

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ワールドサッカーでは、本田選手の黄色いスパイクから放たれた無回転ボールは、ぶるぶるブレながら、ネットに突き刺さった。
戦前まったく期待薄(ぼくら、しろうとは知識も関心もなかったから無理もないのだが)というかあきらめていた日本代表が、忽然と団結をとりもどして、ベスト16に進出。選手の顔触れもしらなかったのに、ぼくらは総サムライサポーターに変身。監督の評価も「岡ちゃんやめろ」が、「岡ちゃんごめんね」と、ファンも専門家も、手のひら返しだ。

参議院選挙は、菅さんのカン敗だったと、けんけんごうごうマスコミが叩く。一方、鬼門だった消費税を取り上げたのは、新聞の社説では、大正解だとする。

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日本の総理大臣は、くるくる変わる。マスコミがはやしたてる政局は、ちいさなコップの中の嵐だろうか。
選挙に負けたら、二大政党論もどこかに吹っ飛んでしまった。大義もへったくれもない。
一国の総理大臣があんなにサッカーボールのように蹴っとばされていいものだろうか。菅さんは、いまや、アキ缶と揶揄されている。
「もともと、なにをしよう」という構想を持たない権力志向だったと、むかしの仲間からいわれているが、ほんとかねえ。土壇場でうろたえて、田中真紀子を総理にかつごうとした小沢の方が、ぼくには、胡散臭く見えるのだが。

怖い本を買った。
森嶋通夫「なぜ日本は没落するか」岩波現代文庫。
教授は指摘する。日本が没落するのは、今度のばあいも明治維新の時と同様、政治からであると。
2004年逝去されたが、指摘は怖いほど当たっているように思われる。

そうそう、いつの間にか、タイガースが、0.5差で二位につけている。エースクラス投手が、みなこけた。主力打者の覆いがたい高齢化。下馬評は、ワールドサッカー以上に期待薄だったのに。
ところがどっこいだ。勝因は、毎年スカばかり食らっていた助っ人外人が、打ちまくって救世主となったことだ。ここまでは、あほでもわかる。
ホントの勝因は、カーネルサンダースの呪いがとけたことなのだ。
ケンタッキーフライドチキンの看板じいさんは、前の優勝時に道頓堀から、白い服を着たまま、あのくさいドブ川にほうりこまれた。
めがねもどこかにいったまま、工事中に偶然救出されたのは、昨年だった。二十数年たっていた。いまはきれいに修復されて、仏像なみに、甲子園球場にうやうやしく安置されているようだ。

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大阪は、ありがたいものを堀にほうりこむ歴史がある。
欽明天皇のころにも、ピカピカ金色に輝く仏像を堀江に投げ込んだ。祟りをおそれぬふるまいであった。

投稿者 nansai : 16:57