縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2011年12月27日

十二月二十七日 大阪市は燃えているか?
改革の火の手があがった。


おどおどと、おたおたと、すべて意気消沈の日本で、いま頭を高く上げて矢継ぎ早の改革案を打ち出しているのが、橋下大阪市長だ。これまでの市長には、なかったスピードだ。

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民意。この気まぐれで得体の知れぬ空気のような妖怪の影に、既成政党は怯えきっている。想定外の投票率アップに支えられた民意を振りかざす橋下氏の奔放な動きに気押されたのか。選挙で争った政党連合が、かんたんに批判のホコをおさめて作り笑いを浮かべ、維新の軍門に下った。
みえみえなのは、大義を主張するよりも、ひっこめて、次の選挙対策だ。勢いのある維新陣営を敵にまわしたくないからだろう。茶番だった。
ぼく自身は、大阪市民でもなく投票権もないが、橋下新市長の行動力、現状破壊力に期待を寄せているのだが。

今回の大阪市長選では、一部の名だたる評論家、政治学者たちが、選挙後も、口汚く、といってよいほど、橋下氏をこきおろすのに、実は驚いた。押しなべて、大阪には無関心な在京のマスコミは冷たく、あるトーク番組で、民放の年配のアナが、橋下氏のやりかたを「デマゴーグ」と評したのには、ことばの意味がわかっていないのかとびっくりした。
これほど毀誉褒貶の分かれる人物はすくない。ウイキぺディアを開くと、「橋下徹」の項目になんと41ページもの記述がある。

しかし、ホットに見える橋下陣営には、クールな軍師たちがついて、計画的なロードマップが綿密につくりあげられているのだろう。
上山信一氏著「大阪維新」(角川新書)を読んでわかった。上山氏は、慶応大学総合政策学部教授で、ブレーンの一人だ。大阪市の抱えている積年の病弊の問題点が、CTでスキャンしたように、実によく整理分析されている。橋下陣営の掲げる目標が、目先の選挙目当ての急造マニフェストではなさそうである。

大阪府民のぼくは、「ふしあわせ」と自嘲されている、府と市の不幸で非効率な関係がよくわかっていなかった。
上山氏が、橋本氏に出会う前に、大阪市役所の改革は、もう2004年に始まっていて、関淳一市長の下で、助役の大平光代氏が陣頭指揮をしていたと、上山氏はいう。
翌年に大平氏から出動要請があって、アメリカのコンサルティング会社マッキンゼーの分析手法で、辣腕の元同僚の助けを借りて、大阪市の改革案作りに取り組んだ。2年半の間に市役所の主要事業68の分析を行い、積年の大阪市の病弊が見えてきた。しかし、大阪市の市長―労組―議会のもたれあい構造では、改革は無理とわかったという。
次の選挙で、改革派の関市長は、民主党の推薦を得た平松氏に敗れ、改革は未完におわった。

今度の選挙で、ふたたびボールが改革にもどってきた。
実行力の橋下市長を迎えて、プレー再開ということになる。上山氏のようなブレーンたちが、市長を補佐して、変わるに変われない国や地方自治体のしくみに挑むのは、賛成である。橋下氏は、職員約4万人の大阪市役所はシロアリの巣だと喝破した。
ブレーンの上山信一氏は、かつて二年半にわたり主要事業68の分析を行った。大阪市は必要以上の人員を抱え込み、必要以上の給料を払っていると、「大阪維新」でつぎのように、述べている。職員一人一人は優秀でまじめだが、組織は利権をめぐる「巨大なアリ塚」のようになっている。
大阪市は、「巨大な組織でありながら、目の前の声の大きな議員や特定分野のニーズに対応することに追われている」とも。

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ぼくは、市政の参加権はないが、今度のダブル選挙戦での体制側?のすさまじい橋下攻撃には、まゆをひそめたひとりである。
大阪都という考え方には、勉強不足で、どうなるかよくわからない。だが、大阪府の中核都市のシロアリの巣のような現状に挑戦する橋下市政には市外から固唾を呑んで見守り応援したい。

市政改革とはなんのつながりもないが、ずいぶんむかし描いたオオアリクイの食事の場面をのせておく。テレビ番組でみたのだが、草原にあるシロアリの巣は堅牢で頑丈で塔のようだ。アリクイは鋭いつめでひっかき崩す。そして長い細い舌を巣穴に突っ込んで吸い取りたべてしまう。
もちろん、市政の改革は、なまやさしいものではないだろう。やすやす食べられるようなシロアリではない。反撃もはんぱではないだろう。お皿もテーブルクロスもない。マスコミもどっちにつくか、わからない。

日本全体が萎縮している現在、つぎの選挙が怖いから、無節操なバラマキ行政が再開された。
みずからの改革をまず大阪市がやってみてほしいと願わずにはいられない。


投稿者 nansai : 2011年12月27日 13:21