縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2012年4月 9日

四月九日 熱砂を越えて命を救うラクダ診療所?

焼け付くような熱砂の沙漠を、はるばると、ラクダがなにやら重い荷物を運んでいる。

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ラクダの背中に積まれているのは、小型の冷蔵庫と電源のソーラーパネルだ。冷蔵を必要とする薬品とかワクチンを、ラクダはケニヤやエチオピアの遠くの村まで運んでいる。いわば、沙漠の自家発電移動診療所なのだ。荷物を背負ってラクダは一日に150キロも歩くことができるそうだ。
ぼくは、このアイデアを、サンケイのコラム『ラクダが問う日本の家電』でみつけた。詳しく知りたくて、ネットで調べたら、ケニアの移動診療ラクダは、三年前から、エコの成功例として、すでにくわしく紹介されていた。

アフリカの照りつける太陽光エネルギーと暑さに強いラクダの組み合わせとは、考えたものだと感心した。でも、コロンブスのたまごで、だれでも思いつきそうなアイデアと思ったら、とんでもない。
NPOやプリンストン大学、カリフォルニアのアートセンターが力を合わせて、砂漠を越えて道なき道を歩いて運ぶラクダに搭載できる軽量機器とこのシステムを2005年に開発した。重い自家発電冷蔵庫をのせる鞍はタケ製。開発予算は数千ドルしかなく、試作にはブロンクス動物園のラクダに協力してもらったそうだ。引き続き寄付をつのっている。

コラムの筆者は、指摘する。
スイスのビジネススクールでは、このラクダ冷蔵庫の発想こそ、大赤字に苦しむ日本の家電企業に欠けているものだという。要素技術の開発には熱心な日本には、軽い冷蔵庫も発電能力の高い太陽光電池を作る技術はある。だが、その延長線上に、ラクダ冷蔵庫は出てこない。アフリカの奥地の貧しい医療状態の解消に役立つ太陽光を利用した薬品冷蔵移動システムなど、世界のすみずみにどんなニーズがあるかには、日本企業は無頓着なのだと手厳しい。

投稿者 nansai : 2012年4月 9日 14:54