縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2012年9月24日

九月二十四日 トラよ、来年はアタマを使おう。

傷心のタイガース。いまさら聞いてせんないことながら、いったいどうしたんや。
いくら出来がわるくても、身内である。ひいきのひきたおしでもなく、ぼろくそにののしって、発奮をうながせば、何とかなるというものでもない。かわいさあまって憎さが百倍?そんな時機はとっくに通り過ぎた。


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ことし巨人に東京ドームでは阪神は徹底的に負けた。10連敗とは記録である。きょうの日経スポーツ欄によれば、どうも野村流ID野球にやられたようである。
巨人は昨年チーム打率がリーグ4位と低迷した。反省した球団は戦略室を新設した。対戦相手のデータを有効活用するためだ。
従来のように個々の能力に頼るのではなく、チーム全体としてデータ野球を取り入れようとした。
司令塔に、元楽天のヘッドコーチ橋上氏をすえた。かれは、かつて仕えた野村監督のID野球分析で、タイガースを丸裸にした。
相手の配球の傾向を選手ごとにファイルをわたす。狙い球がしぼりやすくなる。
巨人が苦手としていた能見投手が今年がんがん打たれたのは、配球傾向が完全に読まれたからだ。各打者は低めに外れる決め球フォークを見極めるようアドバイスされた。

いまいましいが、2005年を思い出した。
星野監督時代にひさしぶりで出場した日本シリーズ。タイガースは、ロッテにまったく歯が立たなかった。四連敗。
シリーズ得点ロッテ33点に、阪神はわずか四点だった。
データ戦に敗れたのだ。当時のバレンタイン監督がアメリカからつれてきたデータ解析の専門家が、やはり阪神の戦いぶりをデータで分析予測した。
藤川投手の変化球の決め球は見送られ、打ちやすい球を痛打された。
学ばないものに、冷厳に歴史はくりかえされる。当時は夕刊紙しかデータ敗戦の手の内を報道しなかったと記憶している。

あらゆるしがらみを排除して、これから阪神は建て直しを図ることになる。カンや経験だけでなく、データにもとづいて頭を使う野球はどうすればいいか。相手の手の内を図るレーダーが必要だ。
緻密なデータ野球のカモは、タイガースだ。わが阪神はあまりにデータ読みに無防備だ。
米画「マネーボール」を阪神の球団関係者はみただろうか。レンタルですぐ借り出せる。貧乏球団アスレチック球団のGM奮闘記だ。
ゼネラルマネジャーとは、こんな存在だということがわかる。
弱小球団のGMが、限られた予算のなかで、過去の名前よりも出塁率を重視して選手を発掘する考えは、目からうろこ、新鮮だった。

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タイガースよ、頭を切り替えだ。できるかなあ。
とっくに賞味期限の切れた元有名選手を大金払って迎え入れるのは、あれはやめてほしい。不良資産化するだけだから。

伝説の金本選手は、晩年は甲子園劇場の主演俳優として、引退間際までがんばってくれた。
阪神首脳の考え通り、野球は興行ではある。まず球場と電車を満員にせねばならん。試合経過そっちのけで、球場をゆるがす大声援と風船揚げは、老いも若きも、生きていてよかった。楽しそうだ。親に連れられてきている子供たちのうれしそうな笑顔。ディズニーランドには負けていない。ただしチャンスが来て盛り上がればだ。
しかし、なんぼなんでも、そこそこ勝利せねばならない。負け過ぎは楽しくない。

一点が遠く、負け続けても満員になる阪神は、しあわせな稀有の球団だろう。
いい野球をして強くても、客が球場に来てくれないのはつらい。
往年のがらがらの西宮球場を思い出すと胸が痛む。甲子園球場の近くだった。阪急ブレーブスは、名監督のもと、なんども日本を制覇したのだが。日本一は四回、リーグ優勝十二回。

投稿者 nansai : 2012年9月24日 13:07