縦書きブログ「八軒家南斉」

WEB1グランプリ 準グランプリ受賞

2012年12月12日

十二月十二日
巳年の年賀状は、描きにくい。へびはきらいですか。

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いたしかたないことながら、年々、ぼくが年賀状を出す先が減ってきている。だが、このあまのじゃく絵巻では、出す宛もなく、頼まれもしないのに、干支のけものたちを手際よく料理するのが、恒例(ぼくが勝手に決めた)となっている。


自称絵巻なのに、マウスで描いた絵が話題になることはないのだが、年末の年賀はがきだけは、少なくとも数人から、正確には4人だが、まだかと催促される。
ひねり技のアイデアは泉のように湧いて出て枯れることはないと自負していたのだが― 。

ところが、来年は勝手が違う。十二年に一回の巳年が回ってくるからだ。
だれもがキモチ悪がるヘビがスターとあって、おめでたい年賀状に起用する場合、慎重を要する。取り扱い注意である。
で、いつになくエンジンのかかりがおそく、車輪が空転しながらも、二三、ご披露に及ぶことに。巳年のスターは、蛇蝎のごとく差別してあしらわれ、じつに気の毒だ。

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よって、獅子舞の向こうを張って、縁起がよくお金の貯まる蛇舞という趣向は、どうだろう。なにぶん胴が長いので中に四五人がはいらねば。


鏡餅は、蛇のとぐろを巻いた姿に由来するとウイキに珍説がのっていた。瑞祥といわれる白蛇をあしらってみた。



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そういえば、ネットで調べると、全国に白蛇を祭った神社が、あるはあるは、数多く存在する。お金儲けに霊験あらたかとあってか、いずれも商魂たくましくお守りなどを通販販売している。
アマゾンで扱っている金運祈祷お守りつき白蛇神社財布は在庫切れだ。


蛇はもともと脚が4本あったが、進化の結果いまは痕がおなかに残っているだけという。
べっぴんさんの蛇を登場させよう。蛇だって、ご先祖のように脚さえあれば、流行のブーツはいてお宮参りへ新春の町をかっぽしたいではないか。

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故事にいう「蛇足」は、わざわざよけいなことをしてしまうの意。意見を述べるとき、謙遜の意味をこめて「蛇足ではございますが」という。
まさに、この絵巻のようなものだ。出典は、中国の古典「戦国策」。説明すると長くなるので、ウイキペディアにリンクしておいた。

つぎ、これもヘビである。帽子のようにみえるが、帽子ではない。

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この絵は、サン テグジュペリの「星の王子様」の最初にでてくるお話。作者が6歳のころ描いたのだが、なにを描いたのか、「こわいだろう」ときいても、だれも理解してくれなかった。
大人たちから、帽子だろ、こわいもんか、といわれ傷ついて、絵描きになるのをあきらめたと作者はいう。
じつは、これは大蛇のつもりなのだ。

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少年が二番目に描いた絵。
なんと、寝そべっている大蛇のおなかが透けてみえる。なかに丸呑みにされたゾウが立っている。少年は、この絵を描いて説明したが、大人はだれもほめてくれなかった。少年は、ひどく傷ついた。
ともあれ、「星の王子さま」の作者の幼いころのとほうもない発想力に脱帽である。(創作にしても)
しかし、エスプリあふれるこのストーリーを、巳年の年賀状に、どうとりこんだらいいものか。
したり顔でくどくど由来を説明しようとすると、それこそ、ださい「蛇足」になってしまうのだ。


XPがつぶれた。大変だ。
最近になって長年愛用していたXPがついにつぶれてしまい、大あわてで不なれな7(新顔8は、まだこわいので)にスイッチした。
超初心者むけのはずのお絵かきのペイントでも、おたおた、うろうろ、こんなに勝手が違う、とは意外だった。
7では、筆先のバリエーションはふえたので、年賀向きに、すこしでも感じのいいヘビを描いてみた。

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こころは、すべて世の中まるくなれ。

物の言いにくい世の中になったが、日中関係も、円満解決を願うものだ。
戦前、戦中を生き残ったぼくらは、時代の風に乗った国威発揚スローガンは、佃煮にするほど聞かされてきた。振り返れば、残るのは、むなしさだけだ。先日亡くなった小沢正一さんも、心配されていた。

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投稿者 nansai : 2012年12月12日 14:43